第343話 元ヤンの御姉様は学生らしい(4)

 俺が周りは、身内同士ばかりだから。


 ケラケラ笑いながら告げると。


 蘭の奴は、ヤカンが沸騰するぐらい真っ赤な顔をしながら。


「もう、和也は、恥ずかしいけぇ、皆に言わん、とってやぁ~」


 と、甘え声音で不満を漏らしてくるから。


 この場にいる者達が、全員揃って首を傾げる。


 でも、少し間が開けば。


「お前等二人、もしかして、そう言ぅプレイがお好きな訳?」


 牧田が苦笑を浮かべつつ俺と蘭に告げてくるから。


「わっ、ははは」と、俺が笑えば。


 蘭は更に真っ赤な顔──羞恥心の狭間で。


 自身の身体を蛇のようにクネクネしつつ。


「和也はもう、笑わん、とってやぁ~」と。


 蘭が更に可愛い仕草と声音で、俺に不満を漏らしてくるから。


 俺はあいつの主さまとして、更に何を蘭に告げて、羞恥心をいたぶってやろうか? と思えば。


「私も和也によくお尻を叩かれるよ……。蘭とどちらが、叩かれているかはわからないけれど。私痛いから。キャン、キャン言っているよ」と。


 沙紀の奴も、自分が俺にメスの馬車馬の如く、『働け! 働け!』と尻を鞭で叩かれるのだと苦笑いを浮かべると。


「あっ! 実は私も和也にお尻を叩かれて、『痛い、痛い。ごめんなさい。旦那さま』ッて、言っているよ」と。


 幸の奴も苦笑いを浮かべつつ、自分のことを暴露すれば。


「へぇ~、そんな事をしているんだ、皆~?」と。


 自身のお腹を抱え、ゲラゲラ笑う、牧田を放置しながら。


 志乃が感心した声で告げると。


「皆ではないですよ。ヤンキーのお姉さん」と。


 加奈が無表情でマックポテトを口に加えつつ、告げると。


「えっ! そうなの? 無表情の彼女?」


 志乃が驚愕しながら加奈へと問えば。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る