第205話 高校三年生になれば、モテ期の元カノが更にモテ期に? (30)
「誰も言い訳なんかしていないわよ! 私がいつ和也に言い訳をしましたか? ただ見ていたんだねと呟いていただけでしょうに。それに? 私は今までに何度も和也にはちゃんと甘えました! しな垂れもかかりました! ただ和也が、今の蘭や山本さんのように、私へと優しくしないで。直ぐに離れていっただけです。和也、あなたが……」と。
沙紀が俺へと不満を漏らしてきた。
でも、その件に関しては、俺も沙紀へと言いたい不満があるから。
『沙紀、お前なぁ~』と、俺がアイツに呻ろうとすれば。
「それにね、和也? 私は何度も和也と二人きりになりたい。そして二人でゆっくりと仲良く会話などをしたくて仕方がなかったに。和也はことあるごとに蘭や上田君達に声をかけては呼んで、二人きりになろうとはしなし。富美にも悪いから上田君と二人きりにさせてあげよと。私が遠回しに告げ、二人きりになろうとしても。『いいよ。いいよ。大丈夫だから』と言っては。私との二人きりになるのを避けていたのは私ではなく。和也だからね」と。
沙紀の奴が俺に対して憤怒しながら、ではなく。
今度は沙紀の奴は、とても寂しそうな声音、と言うよりも?
今にも泣きそうな感じ? で。
俺へと不満を漏らしてくる。
でもさ、こればかりはみなも、仕方がないと思わないかい?
思春期で多感な時期……。
何だかんだと言いつつ、俺自身がいくらカッコつけ、善人ぶってもさ。
年がら年中発情している俺の頭の中はあれ。
あのこと。
○○○したい。
やりたいぐらいしか考えていないよ。
俺も普通で、正常な高校生男子だからね。
そんな俺が沙紀と二人きりになってみろ。
俺の真横に座る沙紀のJKの少女らしい好い香りを嗅げば。
俺の脳内はクラクラ麻痺して発情──。
そのまま沙紀を押し倒し、また泣かせることになるし。
今度こそ沙紀の奴に嫌われる……って。
まあ、そうしなくても一年、二年の間に嫌われ、捨てられたのだが。
でもあの頃の俺はとにかく、そうならないために。
沙紀との距離を最大限にとり。
交際の方もできるだけ二人きりならないよう、グループ交際を試みる。
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