第208話 高校三年生になれば、元カノのモテ期は未だ続くようです? (2)
そう、俺のクラスメイト達や山下などは。
沙紀が俺へと甘える様子を見て──。
「新宮寺、和也と仲直りができて良かったな」と。
その他にも色々な祝辞を沙紀へと告げてくれたから。
アイツ、沙紀の奴も上機嫌。
次の日の朝から俺に抱きついてきたりして嬉しそうにしていたのにさ。
いざお昼になったらこの通りの様子でね。
あの日、沙紀の奴と会話をした牧田は。
最初不貞腐れていたアイツ、沙紀の奴を。
最後には上手く笑かすことに成功した。
だから牧田自身は、沙紀から好印象を得たと確信した。
と、なれば?
次の日のお昼の大休憩から牧田は、この通りの様子……。
毎日昼休みには、こまめに沙紀を訊ねてきては御機嫌窺いをしにくるようになった。
でっ、最初は沙紀の奴も、安易に牧田へと席を譲る俺に対して。
「何で和也は、私を置いて牧田君に席を譲る訳なの?」と、不満を告げてきたり。
「蘭は汚いよ~。私だって和也とゆっくりとお話したいのにずるいよ。蘭は」と不満を告げてくるのだが。
俺は沙紀に対して。
「俺はもう沙紀。お前の彼氏じゃないから。牧田に頼まれれば。断る理由もないから致し方がない」と言葉を返すのみだよ。
まあ、当たり前のことだけれど。
でっ、蘭はと言うと?
「牧田に嫌なら。嫌だとはっきり言えばいいじゃない。私には好きな人がいるから。毎日来られると本当に困るから。勘弁して欲しいと言えば良いじゃない。沙紀の口から」と。
沙紀の奴が、蘭は俺と一緒に席を立ち。
逃げるように移動をするから汚いと不満を漏らしてきた。
だから蘭が沙紀へと。
牧田に困るとはっきり告げない。
拒否をしない。
態度で示さない。
沙紀の奴が悪いのだと告げると。
「私いったよ。牧田君に。和也のことがまだ好きだからごめんねと……。でも彼、牧田君が山田は、蘭か山本さんに気があるようだから。和也を追いかけるだけ無駄だよ。やめた方がいいよと。牧田君が強引に迫ってくるんだもん」と。
沙紀は自身の頬を膨らませながら蘭へと不満を漏らした。
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