第402話 四天王の力! (17)
ガンのつけ合い、飛ばし合いをする行為をしながらも。
あいつが死ぬほど好きらしい俺さまの言葉を、一言も取りこぼすこともなく、聞く耳を立てて、聞いていた恐ろしい御方さまだからね。
俺の方へと顔と身体の向きを変え──呻り吠えつつ尋ねてきた。
だから俺は篠田が怖いから、またお猿さん……。
そう、下を向きつつ、反省のポーズをしながら。
「ご、ごめんなさい」と、篠田に謝罪をするのだが。
「はぁ~、山田聞こえないよ~。何を言っているんだい?」
篠田は俺の謝罪が聞こえているはずなのに、この通りの悪態振り。
そう、俺の話しなど聞こえないと、自身の首を振る、子供みたいな意地悪……。
そう、幼い子が、自分の好きな異性に対して、可愛くて仕方がないから意地悪をする。
あれ! あれをね! 篠田は、俺のことが憎くて仕方がないほど好きで仕方がないから、と。
ニヤニヤと妖艶に笑いつつ、俺のことを虐め、殺す、ではなく。
虐め傀儡だった。
わっ、はははっ! と。
俺が笑い誤魔化したところで話しを元に戻すのだけれど。
まあ、篠田達に叱られて下を向き、今にも泣き出しそうな、情けない俺の様子だから。
「あぁ~、和也が下を向いている~!」と。
志乃の驚愕! 大きな叫び声が、俺の耳へと入れば。
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