第291話 久し振りにあいつに叩かれたから終焉(6)

 絵美は俺と幼馴染だから、親戚関係のことも割と詳しいから。


 俺に話しを振りこの場の雰囲気……。


 そう、多分、俺はまだ牧田達の件を、納得をした顔をしていないのだと思う?


 だからまだ俺の顔は怪訝な表情をしているのだと思うよ?


 だから俺のことを詳しいあいつが話しを変えてきたのだと思うから。


「ああ、慎吾ちゃんがいるけど、どうかしたのか?」


 俺は相変わらず不貞腐れた顔、声で絵美へと言葉を返す。


「えぇ、えええっ! 嘘~? 和也って慎吾君の従弟だったの~? うち知らなかったぁ~? 沙紀あんたはぁ~、知っていたの~?」


「えっ! 私?」


「うん そうだよ。沙紀は和也から聞いて知っていたの?」


「うぅん、私も知らなかったぁ~。今初めてきいたよ。和也、私達の中学に従兄弟がいるなんて教えてくれなかったもの」と。


 驚愕しながら蘭に尋ねられた沙紀なのだが。


 俺自身が沙紀に、『お前が通っていた中学校に俺の従兄弟がいたんだぞ!』と説明をしたことなどないから。


 沙紀の奴も蘭同様、驚いた顔をしながら、自身の首を振り、知らないと言葉を返す。


「和也?」


「何だ、沙紀?」


「何で私の通っていた中学に従兄弟がいたと教えてくれなかったの?」


「えっ、俺?」


「うん」


「だって、沙紀、お前。俺に尋ねてこなかったじゃないか」


「まあ、そうだけれど」


 プンプンと。


 沙紀の奴は、俺の彼女を二年もしていたのに。


 俺に身内関係のこととか、何も教えてもらえていなかったことに関して。


 アイツは大変に不満のある顔をしながら俺に言葉を返してきた。


 だから俺は沙紀に『悪い。悪い』と謝罪をしようとすれば。


「蘭?」


「ん? 何、翔子?」


「和也の従兄弟ってどんな人なの? もしかして学校内でも有名人だったの?」


 蘭と沙紀が余りにも驚愕するから、翔子の奴が気になり、興味津々な顔で尋ねる。


「慎吾ちゃん、カッコえぇけぇ。お前等の中学でもモテただろう?」



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