第22話 新しい教室にいっても何故か、彼女の様子は可笑しかったのだ(2)
俺は昨晩の沙紀とのメールの内容を確認するために、自身の指の腹を慌ててスマホの画面に当て──。
指でなぞりながら沙紀の名前を検索し始める。
まあ、とにかく、自身の顔を引き攣らせながら、慌ててだ!
でも? あのね?
俺がいくらL〇NEのフレンド欄を調べても、沙紀の名前がないの。
昨晩は確かにあったはずなのに。
次の日の午前の授業前には、完全に無くなっているから。
俺は「ん? あれ、可笑しいな?」と独り言……。
でも、俺の独り言はまだ続くから。
「う~ん、何故だろう?」と、言葉が更に漏れ。
「可笑しい、沙紀の名前がない」と。
俺は自身の顔色を真っ青にさせながら佇んだ記憶があるかな?
「あっ、ははは」と。
まあ、今でこそ、笑い話しのように呟くことは可能だけれど。
あの時の俺は、そのまま歩行する行為を完全にやめて。
その場に呆然と佇んでしまう。
だってスマートフォンの画面を俺が何度も見詰め、眺め、確認しようが。
L〇NEのフレンド欄には沙紀の名前がない。
そう、あの阿保が削除の上に着信拒否までしているようだから。
俺は本当に、自身の顔色を真っ青にして立ち止まり、呆然と佇んでしまった。
だから俺の前を歩く親友の直人の足も自然と止まり。
あいつは後ろを振り返りながら。
「……ん? 和也、どうした?」
と、尋ねてきたけれど。
俺はもう既に、自身の腕を瞼に当て──!
「うぅ、ううう」と。
俺は本当に情けないから、また懲りもしないで、嗚咽を漏らした記憶がある。
◇◇◇
「おっ、おい! 和也! しっかりしろ!」と。
俺の親友直人が呆然、唖然している、だけじゃなかったよ。
俺は自身の瞳をウルウルと光らせながら、涙の粒をポロポロと落としながら。
俺は親友直人の呼びかけに対して、「…………」と無反応だったと思うよ?
あの時の俺はね?
でもさ、直人は、本当に友達思いの熱い奴だから。
「和也~、しっかりしろ! 大丈夫か? 一体何が遭った、和也? 俺に話してみろ!」
直人は俯き、涙を流し、沈黙を続けていた俺の両肩を、自身の両手で揺らし──。
現実逃避行をしながら、さ迷い続けていた俺の魂を強引に引き戻してくれた。
だから俺は我に返り。
「な、直人……。さ、沙紀の奴が。俺のL○NEグループ、フレ登録からいなくなっているのと。着信拒否にもされている状態になっている……。だから俺はどうしよう?」と。
「直人、どうしたらよい?」
俺は力無く、シクシクと泣きながら直人に説明したと思う?
すると直人は?
「えぇ~! 和也~! マジか? 嘘だろう!?」
直人の奴も俺の説明を聞き驚愕──!
俺はそんな直人に対して、更に自身の口を開き。
「うん」と頷き。
俺はまた俯くと。
「うそではなく本当のことで。現実のことなんだよ。直人……」と呟き。
「何で
「もうアイツ、俺のことはいらない、良し子ちゃんなのかな?」と、
俺は、にへらと笑いながら直人に、嘆くように尋ねたかな、多分?
そして最後に直人へと。
「俺どうしたらよいだろうか、と、言うか? 先ほど沙紀と大田の言い争いって、これだよな、原因は……」と。
直人に俺は遠回しに尋ねたよ。
直人の彼女である木下も沙紀と大田の言い争いの原因である。
多分、沙紀に気になる男……。
まあ、今は誰だかわかるけれど。
あの時の俺は、何となくぐらいでね。
沙紀の奴が気になる男がいる。
その男と俺、どちらをとるべきか迷っている状態……。
じゃ、なかったのかも知れない?
あの時の大田、蘭の様子や。
俺に問われた時に直人の様子がやはり変で、可笑しいから。
沙紀の奴に俺は二股をかけられた状態だから。
蘭の奴が憤怒!
はっきりしろと!
沙紀を急かしたから。
沙紀は俺のL〇NE登録から抜け、着信拒否──。
この時点で俺のことを見限り、捨てたのだろう?
でも直人は、俺の親友でもあるけれど。
直人の彼女は沙紀の親友でもある辛い立場だから。
あいつも、にへらと笑いながら。
スマートフォンを力強く握りながら涙を流す俺へと。
「そ、そうか、和也と新宮寺の仲って、今そんなレベル状態まで酷くなっているのだな」と呟けば。
「か、和也、お前……。新宮寺に対して何か変な事……。そう、卑猥な事でもして怒らせたのか?」
俺が自身の顔をくしゃくしゃにして泣きながらの問いかけに対して。
直人の奴も大変に困った顔、声色で言葉を返してきたと思うよ。
あいつは、沙紀が俺のことを、大学生のチャラ男の車持ちと、天秤をかけていたのを知っていたのだと思うけれど。
最後まで、素知らぬ振りを続けていたからね。
でもあの時の俺は、そんなことを考えるゆとりもないから。
直人の問いかけに対して、俺は涙を流しつつも、真剣な顔をしながら思案……。
だって俺が沙紀に対して破廉恥、卑猥な行為をしようと試みたのは。
もうすぐくるゴールドウィーク!
それも、高校生一年生の時に、俺は強引に沙紀へと迫り、泣かれていらい。
俺と沙紀との恋愛は、大変に純情なもので、お互いが時々手を握るくらいのことしか、させていただいていません。
だから思春期の俺の性欲は、沙紀ではなく、雑誌の
それに沙紀の奴はね?
俺があいつにキス! 接吻をさせてくれ! と、L○NEに記載して迫ればさ。
『和也~、私とのキスは、結婚式の日まではだめ! お預け! 私のことが本当に好きで、大事だと思うならば。挙式の日まで我慢をしてよ。お願いだから」と。
あいつは本当にバカ! と、言うか?
俺のことを舐めているから!
自身の両手を合わせ、『テヘッ!』と可愛く告げてきた。
でもさ、俺も思春期の正常の男子! 男の子!
中学生時代も彼女が切れたことのない。
ナンパ師の和君だからね。
沙紀の奴が、こんな詰まらないこと。
お前、冗談だろう?
俺、そんなの我慢ができないぞ! と思、と言うか?
俺はアニメやマンガ、ライトノベルのラブコメの主人公さまではない。
そんな、冗談みたいなことは我慢ができるか! と。
俺は思いつつ。
(ここまで)
「さ、沙紀、キスぐらいいいだろう?」、
「いいじゃないか?」と。
俺はアイツに何度もL〇NE電話で尋ねたり、記載して尋ねたりもした。
でもその都度アイツ! 沙紀の奴は!
「もう、和也なんか知らないから」と。
自身の頬を膨らませて……って、俺自身も見た訳ではないからよくはわからないけれど。
まあ、沙紀の奴は拗ね、不貞腐れ。
その日だけではなく、次の日も一日中俺とは口を聞いてはくれない状態だから。
俺も仕方がないから沙紀の奴に何度も。
「ごめん、ごめん。もう二度と言わないから」
と、謝罪をすれば。
沙紀の奴はやっと、自身の可愛い唇が開き。
「和也、反省した?」と。
アイツが微笑むまでは、謝罪を繰り返すような、情けない彼氏だったから。
俺が沙紀に対して直人が不振に思い、尋ねてくるようなことは。
俺自身は一切していないと、言うか?
キスすらだめなアイツに俺が、それ以上の行為であるA・B・Cの、CとBを望み。
その場のムード頼りで、アイツに強引に迫り。
何を! あれ! をしようと試みれば。
俺はもう大変なことになる。
「うわぁん。わぁあああん。和也が酷い。酷い
沙紀の奴は、俺の手に負えなくなるぐらい泣き叫び、暴れ、抗うタイプのJK少女だから。
(お願い)
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