第272話 俺って陶晴賢公? (2)

「それでは皆解散……。気を付けて帰宅をするように」と。


 家のクラスの担任の、女性ティーチャーのありがたい言葉と共に。


 終わりの会、午後のホームルームが現地宮島でおこなわれ、終わり。


 さてさて、現地でもう少しのんびりして帰るか?


 それともこのままフェリーで宮島口まで戻り、路面電車で西広島駅まで戻ろうか?


 と、言った話しになる。


 だから俺達も、さてさて思案を始めると言うことはない。


 絵美の奴も久し振りに俺と宮島観光を楽しみたい。


 そう昔は、別れの名所だった宮島も、今は縁結びの名所だから。


 御利益をあやかりたいから。


 絵美もこちらへと向かっているとの話しなので。


 俺達六人は、絵美が到着をするまで、時間潰しをしないといけない訳だから。


 さてさて、何をしようか? と言うことになるのだが。


 今の内から再度、商店街を回るのもあれだから。


 フェリー乗り場の横にある広い敷地と言うか?


 公園辺りで待っている方が良いのかな? と。


 俺は思うから。


「みんな、絵美の奴を待つのは、フェリー乗り場だと人の邪魔になるし。他校の遠足や修学旅行生と勘違いされるから。隣の公園で待っていようか?」と告げる。


 そう俺自身がまさか、牧田の奴から、沙紀の件で、あの日から狙われているとも知らないから。


 自分でのこのこと、人気の少ないところへと移動しようと。


 沙紀や加奈、蘭。


 翔子や幸へと移動をしようと告げる。


「うん」


「そうだね」


「その方がいいね」


「ここだと、何処に立っていたらいいか、わからないしね」


「うん」と。


 沙紀が頷き、加奈と蘭が納得。


 でッ、最後には翔子が、フェリー乗り場だと。


 ボォ~と立っていれば他人の迷惑になるのと。


 変な位置に立っていると、観光客の人が間違えて後ろに並んでくると遠回しに告げるから。


 幸が頷く。


「じゃ、いくか?」


 俺は五人へと告げると、フェリー乗り場を後にして歩き、始める。


 そう、隣の公園に向けて歩く。


 そしてフェリー乗り場前の坂を下り、向かって右の公園へと。


 平清盛公の象へと向け歩き始める。


 ◇◇◇

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