第271話 俺って陶晴賢公? (1)
「牧田、あいつか?」
「ああ、あいつだよ。山田は……」
「何だぁ、あいつ? 女達とイチャイチャしやがって!」
「山田はいつも、ああだぞ」
「そうなのか、牧田?」
「ああ、そうだよ……。あいつ馬鹿だから、いつも学園内でハーレムラブコメしているよ」(笑)
「へぇ~、そうなんだ?」
「ああ、そうだよ。だから俺が、いけぇすかねぇ、奴の一人だよ。山田は……」
「まあ、そう、イライラした顔はするなって牧田……」
「そう、そう、こいつの言ぅ通りじゃけぇ。牧田の敵は俺達がとっちゃぁるけぇ。心配すんなぁ」
「ああ、ありがとう、のぅ、皆。恩にきるよ。やっぱり持つべきものは学園内の知り合いじゃなく、地元のツレだよな……」
「だろう?」
「ああ……」
「今度また牧田、やらしてくれる女を紹介してくれよ?」
「ああ、分っているって、また他校の女をナンパしてから、お前家に連れていくから。皆で楽しめばえぇ、けぇ」
「そうかぁ、牧田頼むの」
「ああ、女ならば俺に任しとけぇって……。大体、今山田の奴が、尻を叩いている女がいるじゃぁろぅが?」
「うん、あの可愛ぇ、女がどうか、したんか?」
「あの女、新宮寺って言ぅんじゃ、けれど。俺がやった後に、お前等に回しちゃぁる予定じゃったんじゃけぇ」
「マジか?」
「うん、ほんまじゃけぇ……。後少しで、俺等のえぇ、玩具にできたのに。山田の奴が邪魔をしやがったけぇ。俺等、新宮寺とお○こができんようになってしもぅたけぇ。俺、山田の事がぶち、歯痒いけぇ……」
「ほんまよ。牧田の言ぅちょぉりじゃけぇ。あの山田って奴、ほんまに歯痒い、のぉ」
「俺もあの女と、お○こしたかった、のぉ」
「ああ、あの女可愛ぇから、儂もお○こしたい。寝てみたい」(笑)
「それと、山田の右側にいる。家の学園にしては少しチャラチャラしたように見える女が二人いるじゃろぅ?」
「うん」
「ああ……」
「あの女等、二人がどうしたんやぁ、牧田?」
「あいつら二人も、お前等に回してやる予定じゃったんじゃいやぁ。でも山田の奴が全部邪魔をしぉった」
「ほんまかぁ?」
「ほんまじゃけぇ」
「マジでアイツ、ほんまに許されん、のぅ」
「まあ、遠足が終わったところで、人気のない所へと連れていってしばきの刑じゃぁろぅ」
「ああ、そうじゃのぅ」
「まあ、牧田。お前の代わりに儂等三人が、あの山田って奴をしばいちゃるけぇ、楽しみにしちょぉれぇやぁ」
「何を言ぅるんなぁ。俺もこの間山田の奴にやられたけぇ。やり返してやらんと気が済まんけぇ」
牧田の奴が、校外遠足を利用して、自分の地元のツレを呼び。
俺を西国一の侍大将と世に謳われていた大内氏の重臣である陶晴賢公に見立てて──。
毛利元就公のように厳島──安芸の宮島にて奇襲作戦を決行しようと思っているなんて。
俺自身も思わないから。
俺は沙紀や加奈、蘭、翔子に幸と。
馬鹿なあいつらが嘆くような、麗しい少女達と。
広島の人間でも何故か、何度も観光に訪れる。
日本三景──。
安芸の宮島での観光を五人の少女達と楽しんだ。
◇◇◇
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