第24話 新しい教室にいっても何故か、彼女の様子は可笑しかったのだ(4)

 だから俺のことを見詰める、をクラスメイト達はやめてくれて。


「あのさ?」


「あのね?」


「昨日どうだった?」


「今日の朝は何を食べた?」


「今年は同じクラスだね」


「高校生活最後の年に同じクラスになれて良かったね」と。


 俺の新しいクラスメイト達……。


 俺と今年一年。


 高校生活。


 青春時代の最後の年を共に。


 このクラスでみなで学び。


 和気藹々と過ごしていくクラスメイト。


 仲間達がね。


 俺へのを辞め、消してくれて。


 自身の周りにいる! 集う者達とまた会話──!


 おしゃべりを始めだしてくれた。


 俺の友人達の心からの気遣いでね。


 だから俺は本当に心から救われたから。


 直人や山下、大島……。


 その他の友人達に対して俺は、いくら感謝をしてもしきれないほどありがたいと思うから。


 俺はまた感動の余り、自身の目尻の方が自然と熱くなってきた記憶がある。


 そんな俺に。


「お早う~、山田! お腹の調子はどう? 未だ痛い? 大丈夫?」と。


 今度は直人達でなく、少女の明るい声が。


 そう俺のマブダチの一人である大田の姉御が、自身の首を傾げつつ、俺に尋ねてくれた。


 俺の彼女だった、沙紀の代わりのようにね。


 だから俺は大田の声がした方へと視線を変え。


「ああ、大田。大丈夫だよ」と。


 俺も自身の目尻を熱くする行為をやめ、微笑みつつ言葉を返した。


 すると大田の後ろに、俺さまの彼女だった奴の姿が瞳に映り。


 あのバカと俺は目が合うから。


 俺は慌てて沙紀や大田。


 その他の女子達が集い、会話をしている最中のグループへと向けて歩みよりながら。


「沙紀! 俺、お前と今から二人きりで話しがしたいから。今から少し時間の方はいいか?」


 俺は沙紀の華奢な腕を掴みつつ、少しばかり荒々しい口調尋ねたと思う?


 でもアイツは、みなも知っての通りで、もう俺の彼女だと本人はもう既に思っていなかったようだから。


「ちょっと和也、痛い! 痛いから! 私の腕を強く握り、引っ張らないでよね」と。


 俺に対して直ぐに悪態をつけば。


「和也、今は朝のホームルームの前だから話しは後。学校の授業が全部終わってからにしてくれる。それでいいかな?」


 アイツ、沙紀はね?


 未だ俺と別れ話をして、離別宣言をした訳でもないのに。


 そうの俺のことをアイツは冷淡な目で見詰めら。


 俺を冷く突き放し、あしらうような物言いで告げると。


 シッシ! と、俺のことを野良犬、野良猫ようにあしらうから。


「ああ、わかったよ。沙紀。後で……」と。


 俺は下を向き、沙紀へと弱々しい様子、口調でね、言葉を返せば。


 俺は自身の肩を落としながら、無言で踵を返し、反転──


 もう俺はアイツと喋る! 話す!


 まあ、楽しく和気藹々と会話をすることも許されない。


 そう、あの時の俺は、権利を完全に募集された情けない男だった。


 だから俺は俯き。


 自身の背を丸めながら。


 沙紀や大田……。


 その他のクラスの女子達の目の先で。


 自身の背中丸め、哀愁漂わせながらトボトボと。


 自身の新しい机へ、椅子へと向けて歩き始める。


 だからだろうか?


 俺が歩行を始めると同時に。


「沙紀、本当にいいの?」と。


 大田の小さな声音での問いかけが。


 俺の耳へと聞こえてきた。


 だから俺はその時に。


 少しばかり歩行をする足をピタリと止め──。


 二人の会話に耳を傾けつつ、俺は少しばかりの希望……。


 そう、沙紀の奴ともう一度やり直せないか? 


 俺は期待感に胸を弾ませ、躍らせた。


 あれでも?


 俺の元カノさまから今度こそ、優しく、温かく、労りある言葉を一言でもかけてもらえるかも知れない?


 また俺は元カノさまから優しく、ヨシヨシをしていただければ。


 自分自身の、この凍りついた心の方が温かくなり。


 ほんのり、じわじわと、明るくなることも可能だから。


 沙紀の奴は俺に優しい言葉をくれないかな? と、思った記憶がある。


 でもさ、俺の彼女さまは!


 もう既に俺の元カノで、自身のツレ達から諫めがなければ。


 俺を予備、キープ君として置いてこうとした、バカでビッチな女──!


 まあ、イケメン男なら誰にでも喜びながら尻を振り、媚びる。


 そう、自分自身の股を安易に開いて、媚びを売る【セフレ女】だから。


「えっ! ああ、和也のことは別にいいよ」と大田に告げ。


「それでさ、昨日のドラマがさ……」と言った。


 俺の心を更に冷たく、凍らせ、涙を流したくなる台詞を平然と告げながら。


 沙紀の奴は井上や木下達とまた和気藹々とした会話を続け満喫、堪能し始める。


 元カレだった俺のことなど少しも気にもとめてはいない素振りでね。


 まあ、そう言う訳だから。


 沙紀の奴は、俺のだから。


 もう二度と俺に優しい言葉、女神の微笑みもかけてはくれないだろうが。


 俺も二度と、あのビッチ、セフレなバカ女にはかけさせないよ。


 だって、この世の中には未だ沢山の女子達が男性よりも多々いる訳だから。


 俺はもう二度と沙紀! お前のような女はいらないよ。


 俺は一度でも他人の物になったようなゴミはいらねぇ主義だからと。


 俺は心の中で固く誓うのだが。


 でも俺は、良くあるラブコメ漫画やラノベのように。


 彼女を寝取られたから、ざまぁみろ! と。


 沙紀と、あいつの今カレに復讐する気はないよ。


 だって沙紀の奴は、もう既に忘れただろうけれど。


 俺はこの学園の王子さま、モテ男の四天王の一人だから、別にお前がいなくても、女には苦労しないのだ。


(あっ、ははは)と。


 自身の心の中で、痩せ我慢をした記憶のある俺だった。



 ◇◇◇



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