第284話 俺って陶晴賢公? (14)
「ああ、俺、あいつのツレで、中坊の頃に仲がえぇかったけぇ。この間も塾の帰りに新天地公園でおうて話しを、したけんどぉ。お前等~、鮒のツレでもないのに。女達に茶々入れて悪さしよぅたんか? えぇ、根性しちょぉるのぅ、お前等~? 鮒等にばれたらお前等しばかれるぞ。あいつ地元の暴走族のリーダーだろうがぁ、知らんのかぁ?」
俺はケラケラ笑いつつ、こいつらの背を蹴りながら告げ、尋ね、忠告をした。
「嫌、山田。俺等も知っているけれど。鮒やん等はタチが悪いけぇ。俺等関わらんようにしちょぉるけぇ。なぁ、皆?」
「うん」
「あぁ」
「鮒やんや先輩らに、変な物を売りつけられるのは嫌じゃしのぅ」
「山口さんとかに売りつけられるも嫌じゃしのぅ」
「うん」
「お前等山口さんと仲えぇ、かぁ?」
牧田達の会話で俺の知り合いの先輩の話しがでたので牧田達に尋ねる。
「いいやぁ、知らんし。なぁ、皆?」
「うん」
「ああ」
「マジであの人等危ないけぇ」
「山田、俺等本職になった先輩等には、怖くて近寄らんけぇ。それに編なことに巻き込まれとぅないから」と。
牧田──。
そう沙紀のことを強姦しようとした常習犯が、可笑しなことを言うから。
「牧田~。お前等~! 女を自分達の部屋に連れ込んで、無理矢理やっちょぉる奴等が、変なことの巻き込まれ等ないって可笑しなことを言ぅよのぅ?」
俺が牧田へと苦笑を浮かべながら問えば。
「えっ、嫌、あの、新宮寺の事は本当にすまんかったけぇ。もう許してくれぇやぁ、山田……」
「本当に御免よ、山田……」
「俺等が悪かったけぇ、許してくれんさい」
「もう、儂等も山田等に関わらんけぇ……」
牧田に続き、あいつの連れも反省しているから、許して欲しいと嘆願──。
だけど、こいつら一度じゃなく、二度も俺等に絡んできた奴等だから。
もう少しはお灸を据えてやらないといけないと俺は思うから。
「おい! お前等! 今から鮒家に連れていってやるけぇ。こい!」
俺は牧田の奴を猫のように、首の襟を掴み、引っ張り告げる。
◇◇◇
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