第94話 (第3ルート完)高校三年生になればこんなお別れもあるとは思う? (25)
「…………」だよ。
そう、俺自身が何だかさ、惨めな沙紀の姿……。元カノ様子を見ていると俺迄情けなく、悲しくなってくる。
だからコイツ、沙紀に対して俺は少しばかり同情心が心の奥底から湧いてきてしまい。
「……だから俺は、新宮寺お前とは違うからちゃんと由美や加奈、蘭だけじゃない……。俺が中坊の時に最後に付き合っていた絵美とも来年の春……。俺達の大学の合格発表が終わる迄はお付き合いをしないし。告白の返事もできないとちゃんと告げているし。寄りも戻す気はないから新宮寺、お前も自身が決めた。言った通りに来年の春迄はもう二度と俺の元へと帰りたい。寄りを戻したいとは言ってくるなよ。わかったな新宮寺?」と告げ。
「はぁ」と大きく溜息を漏らした上で、
「まあ、そう言う事だから真宮寺……。もうこれ以上、元々彼だった俺の事を幻滅させるような事は言うなよ、新宮寺、わかったな?」
俺は再度沙紀の奴に釘を指したよ。いくら俺の目の前で沙紀の馬鹿が泣いていようがお構いなしだ。
もうそれこそ、先程から赤の他人……。
俺達二人の近くを通る他所様が、こちらを気にしてチラチラと見てこようがお構いなしだ。
俺の事を安易に捨てた上に、安易に俺の許へと出戻りをしようと試みるビッチ、セフレの元カノが自身の身を捧げるから許してくれと泣きついてきても許す気はない。
俺は以前元付き合っていた年上の彼女から三度裏切られた事もあるから、沙紀のような尻の軽い女とは二度と付き合うのは御免だからね。
俺自身、目の前の馬鹿に振り回される生涯で終わるのは嫌だから。
「じゃなぁ、真宮寺……。俺、由美が待っているから帰るわ……。連休明けにまた学校で……。さようなら」と。
俺は自身の目の前で相変わらずしくしくとしおらしく泣く沙紀に対して踵を返し、背を向け、手を振ると。
この場、平和の花の塔の前を後にしようと試み始めだすのだ。
自身の自転車が置いてある場所迄移動する為にね。
でも〈ドン!〉だ。
〈ガン!〉だ。
〈ギシ〉
〈ギュ~〉なのだよ。
そう、馬鹿に背を向け歩き始めると沙紀の奴が慌てて駆け寄り、無防備な俺の背に抱きついてくる。
(お願い)
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