第94話 (第3ルート完)高校三年生になればこんなお別れもあるとは思う? (24)
「それとお前、もう忘れたのか? 新宮寺が俺と強引に別れる時に告げてきた台詞の方を……」と。
「うぅ、うううっ」と、とうとう自身の顔を両手で覆いい隠しながら。元々彼の俺から同情心を買おうとでもコイツ思っているのか?
沙紀の奴は嗚咽を漏らし始めたから。
俺はこの馬鹿にいい加減にしろよ! と言った感じで問いかけてやると。
「えっ、な、なに、和也……」
沙紀の奴は、自身の泣く顔を両手で覆いい隠す行為をやめ、困惑しながら自身の顔を上げ、俺へと阿保だから問い返してきたよ。
だから俺は泣きながらも自身の両目を大きく開ける馬鹿なアイツへと。
「お前なぁ、本当に自分が俺に言った事をもう忘れたのか?」
俺が呆れ顔と声音で沙紀へと問い返せば。
「えっ! な、なに? 私和也に何か言った? 言ったかな? 全然覚えていない。な、なんだろう?」
沙紀の奴は俺の問いかけに対してかなり動揺、困惑した様子で言葉を返してきたのだ。
アイツ、自分で考えた俺と上手く別れる為の悪しき策の癖にさ……。
まさに策士策に溺れるではないが、この馬鹿は本当に酷い顔……。自身の顔を覆い隠す大きなマスクを涙と鼻水で濡らし、困惑しながらわからないと俺に言葉を返してくるからね。
俺はニヤリと薄ら笑い。コイツ、沙紀の事を蔑みながら微笑みを浮かべ。
「新宮寺、お前が来年の春……。俺達の大学の合格発表が終わる迄一度別れるようにと両親に言われたから一度別れよう……。その時に未だお互いに好きな人がいなけらば寄りを戻して付き合い直そうと。新宮寺、お前の大変に御都合主義な言葉を言って俺と別れた……。じゃないよな? 俺を強引に捨てたよな、お前は……?」
俺がヘラヘラ笑いながら沙紀へとあの時の事を告げれば。
「えっ! あっ、あの、ご、ごめんなさい。和也……。本当にごめんなさい。許してください。おねがいします」と。
沙紀の奴は最初は、先程よりも更に自身の両目、瞼を大きく開け──。
その後はアイツ阿保だから俺への返す言葉を詰まらせ、どもり、途切れ、途切れで謝罪をしてきたよ。
その姿……。
沙紀の奴の情けない姿を俺は見ていると本当に笑えた。もうそれこそ、この場でお腹を押さえ転がり。のたうち回りたい衝動に駆られる程笑えるけれど。
(お願い)
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