第93話 (第3ルート完)高校三年生になればこんなお別れもあるとは思う? (23)

 それにさ、皆も知っての通りで、俺は由美も含めて加奈や蘭からも『私とつきあって欲しい』と告白を受けて和気藹々としている最中だから。


 沙紀のような尻の軽いビッチ女とわざわざ寄りを戻さないといけない程異性に困っている訳ではないし。


 俺は沙紀以外の三人対して来年の春……。


 そう俺達三年生の大学の合格発表が終わる迄は返事の方を待って欲しいと嘆願もしている最中だから。


「はぁ、俺は由美から告白はされてはいるけれど。未だ由美の告白に対して返事はしていない。だからあいつとはとは付き合ってはいないよ」と。


 沙紀に告げると。


「そ、そうなの和也、本当に? 本当なの?」


 沙紀は自身の目から涙をポロポロと流しながら鬼気迫る顔……。本当に恐ろしい顔で俺へと詰め寄りながら訊ねてくる。


 でも俺は由美とは未だお付き合いをしてはいないから。


「ほ、本当だ。俺は由美とは未だ付き合っていない。いないけれど……。俺が誰と付き合おうと新宮寺、お前には別に関係のない事だろう」


 俺は沙紀の鬼気迫る様子に対して圧倒され、思わず動揺をしながら後ずさりをしながら言葉を返した。


「えっ、あっ、うん……。そうかも知れないけれど……」と。


 沙紀は呟くと俺へと詰め寄る行為をやめ、足を止め、俯き、佇むと。


「和也は酷い私と寄りを戻すのは嫌かもしれないけれど。私は和也にどうしても許してもらいたいの。もう二度と和也を裏切るようなことはしないから。おねがい。許して……」


 沙紀の奴は再度俺へと嘆願をしてくるけれど。


 俺のあの日、あの時の沙紀への憎悪と怒りはコイツが謝罪をしたぐらいでは収まらないし。


 俺は自身と別れて直ぐに他の男へと安易に身体を許すようなビッチ女には興味は全くないから。


「新宮寺、お前には酷い言い方になるかも知れないけれど。俺が先程から新宮寺に何度も言っている通りで。他人の物になったような女に俺は興味は湧かないから。本当に新宮寺にはすまないとは思うけれど。お前の気持ちに俺は応える事はできないから本当にすまない」と。


 俺は沙紀に告げると、更に自身の口を開き。



(お願い)


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