第92話 (第3ルート完)高校三年生になればこんなお別れもあるとは思う? (22)
「えっ! うそ?」
すると沙紀はこの通りだ。
俺の思い描いていた反応をあっさりとしたのだ。
そう、沙紀は俺の目の前で驚愕を漏らし。更に俯き、暗い顔……。本当に自身の両目にしおらしく涙を貯めだしたから。
俺は目の前のビッチ女の様子が可笑しくて仕方がない。
もうそれこそ? 意地が大変に悪い俺だから沙紀の前で自身のお腹を抱えながら高笑いを。
『わっ、はははっ。沙紀、お前、何を今更しおらしくし、ぶりっ娘しながら泣いているのだよ。あの時、俺を騙し捨てた時に沙紀、お前は、元々彼の俺に対してどれだけの悪態をついてきたのだと思っているのだよ。なのに、今更涙を流し。物語の可哀想なヒロイン面するなよな、片腹痛くなるから。わっ、はははっ』と告げたい衝動に俺は駆られる。
でもさ、流石に俺は鬼ではないから、自身の目の前で両目を濡らしだしたビッチ女のように、鬼婆みたいな所業……。沙紀に捨てられた日に俺がコイツの目の前で涙を貯めようとも。
沙紀の奴は俯く俺に対してケラケラ笑いながら罵り。暴言を吐き去っていったような悪態行為はできないので。
「嘘じゃない本当だ。だから新宮寺が俺に言いたい事があるなら早く言ってくれ。俺は本当に忙しいのだから」
俺は困った顔を作りながら沙紀へと言葉を返したよ。
自身の脳裏では(フン! 馬鹿な女が、このまま地獄……。ビッチ、セフレ女生活へと堕ちてしまえ。このクソ女が)と嘲笑いながらね。
するとさ、コイツ、沙紀の奴だけれど。更に、更に泣きそうな顔をしながら。
「あ、あの、か、和也はもしかして、幼馴染のあの娘ともうおつきあいをしているの?」
沙紀の奴は大きなマスクをしていようともわかるくらい。自身の目尻の端から雫をポトン、ポトンと落としながら俺に問いかけてくる。
でも俺と由美との関係は皆が知っての通りで未だ幼馴染の域から脱していない。
まあ、由美の奴が強引に俺の手を握ってきたり。二の腕に自身の腕を絡め、しな垂れ掛り、甘えてくる事は多々ある事だけれど。
俺と目の前のビッチ女がお付き合いをしていた頃よりも少しばかり進展をしている程度の関係だから二人はね……。
(お願い)
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