第430話 文武両道ならばこれでしょう? (2)

「じゃ、山中、お前? 何で山田と勝負をするつもりだ?」


 俺が山中との話しの間に割って入った大谷と中田の二人へと『ガル、ルル』、『ガオ! ガオ!』と呻り、吠えていると。


 俺を取り押さえていた牧田が山中へと問い始める。


「……ん? 俺か?」


「ああ、お前だよ」と牧田が山中へと声を返せば。


「山中、お前! 自分の事だろうに? 何を他人顔して山田と大谷と中田の言い争いを指を咥えて見ているのだ?」と。


 牧田が苦笑いを浮かべつつ山中へと問えば。


 まあ、こいつも基本は、お坊ちゃまだから、争いごとに対して余り慣れていないようだから、他人が言い争いを始めるとついつい他人事のように眺め。みなの様子を窺っていたみたいだけれど。


 牧田に問われて我に返り。


「う~ん」と呻り声をあげつつ、考える人へと変貌するから。


「山中~、お前、もしかして? 山田と澤田を賭けて勝負と言ったわりには、何で勝負するかを全く考えていなかったのか?」


 山中は、ケラケラと牧田に笑われながらツッコミを入れられてしまう。


「煩いな、マッキは~」


 自身に悪態をついてくる牧田へと山中は不満を漏らし、終えれば。



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