第300話 今日もみんなで仲良く (3)

 だから文太達三人は。


「えぇ、マジ」


「どうする?」


「どうするって、俺家、鮒家の近くじゃけぇ、逃げたら不味いけぇ」


「だよな?」


「うん」となって。


 三人仲良く下を向きながら、ドナドナと歩き。


 鮒達、地元のヤンキー連中が屯しているところへ向かったらしい。


 でッ、到着すれば。


「お前等何しょぉるん?」と。


 鮒達のグループの一人が、文太達に声をかけてきたから。


「コンビニにちょっと」と。


 平に、平に声を返したら。


「いや、そんなもんわかちょぉるけぇ」と。


 一人が憤怒すれば。


 直ぐにヤンキーは、怒りが伝染するから。


「お前等、儂等に喧嘩売りょぉるんか?」と。


 呻り、吠えるから。


「いいや、いいや、全然そんな事はないから」


「俺達別に鮒ちゃん達に喧嘩なんか、売ちょぉらせんけぇ」


「ほんまじゃけぇ」


「只夜の受験勉強の合間に口が寂しくなったけぇ。ジュースと菓子を買いに来た、だけじゃけぇ」と。


 笑い誤魔化したらしいけれど。


 ヤンキー連中は一度機嫌を損ねると。


 本当にしつこい。


 執着してくるから。


「先輩~」と。


 鮒達の後輩──。


 文太達三人の後輩にもなる奴等が。


 いきなり文太達の肩に手を回してきて。


「先輩~。儂等にも何かおごってやぁ~。儂等、単車の燃料代で金がねぇけぇ、おごってやぁ~」と。


 自分達から、どう見ても、一つか、二つ下の後輩達が調子よく、金を集ってきたから。


 文太も頭にきて殴ってやろぅか! と思ったらしいけれど。


 鮒達、同級のメンバー達と揉めたくないから。


「俺達、お金そんなに持ってないけぇ。学生の身分で、バイトだってしちょぉらんし……。なぁ、皆?」


「うん」


「マジでないけぇ」と。


 三人で困った顔を始めだすと。


「お前等、一応、そいつら。お前等の地元の先輩じゃけ、苛めんなよ」と。




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