第263話 連休開ければ遠足だ! (9)
こいつ! と、言うか?
翔子の奴だけれど。
何とも艶やかと言うか?
後ろを振り向きながら俺に。
『あっ、はははっ。困ったなぁ』と言った感じで尋ねてきたけれど。
翔子自身の顔は桜色に染まり。
息遣いの方も少し荒い感じだから。
もしかして翔子の奴?
自身の身体を火照らしているのか? と。
俺は妙に魅惑的な翔子へと尋ねたい衝動に駆られるけれど。
グッ! と堪えつつ。
「えっ! うそ? と、言うか? 俺、全く意識していなかったよ。マジで悪い。翔子ごめんなぁ」
俺は翔子へと謝罪をすれば。
俺は慌てて自身の腰を引き──翔子に当たらないようにしようと心掛け。
俺が海老のような、変な態勢をしたと同時に。
ギュ! だ。
ギュッ! と。
俺は学生ズボンの上から掴まれ、握られた。
「あっ! 本当だ! 和也! 翔子ちゃんのお尻に反応しているよ!」
加奈の奴、満員電車の中で、こんな言葉を漏らすから。
俺達の周りにいるおじさんやお兄さん。
そしておばさんやお姉さん達、他校の生徒達が。
俺達のグループのことを一斉に見始める。
だから俺は周りの視線が熱いから。
自分の何に早く小さくなれ、なってくれ! 頼む! お願いだぁっ! と。
俺は声を大にして叫びたい衝動に駆られる。
「えっ! 嘘? 加奈ちゃん、本当に?」
「うん、本当。絵美さんも触ってみなよ」
「うん、わかった。触ってみるね」
絵美の奴も、加奈の積極的と言うか?
非常識なところが映ったかのよう。
俺の何を握り。
「う~ん、どれどれ……」
独り言を漏らしつつ確認をとり始めるから。
「ちょっと待てって絵美。他人の目があるからやめろ」
俺は小さな声で絵美へと囁く。
でも絵美の奴も、つい最近は。
蘭と加奈のように人目を気にしない美少女へとなってきているから。
「あっ! 本当だ! 和也、どう言うこと?」
ここで、汽車の中で。
男の俺に尋ねることではないだろう、と。
俺が不満に思うことをラブコメのヒロインみたいに尋ねるからさ。
「あのなぁ、絵美? お前なぁ?」
俺が場所を考えろと、呆れ顔と声音で告げようとすれば。
「えぇ~と。どれ、どれ……。私も触ってみよう。えっ、へ、へへっ」と。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます