第262話 連休開ければ遠足だ! (8)
「和也は、私のお尻は触らないの? 何か、それって嫌だなぁ」
こちらを立てればあちらが立たずではないが?
俺が絵美のお尻を触ると言えば。
加奈の奴が無表情……。
これでも、自身の頬を膨らませつつ、不満を漏らしているのだよ。
俺に対してね。
俺自身も最初の頃は、加奈の奴が怒っている、拗ねている、笑っていて機嫌がよい日、時間が理解し難い感じではあった。
でも流石に俺自身も、加奈の奴を名指し呼びする頃には理解ができるようにはなったから。
「加奈、あのな?」
「何、和也?」
「絵美のお尻を触ると言うことは。ちゃんと加奈のお尻も触るから心配をするな。わかったか、加奈?」
俺が呆れ声で加奈へと説明をすれば。
「うん、分った、和也。ありがとう……」
加奈は俺に、よく解らないお礼を告げると。
急に加奈は踵を返し、後ろを向くから。
俺と絵美と、翔子と幸の四人で首を傾げると。
「ほら、和也。私のお尻触って良いよ」と。
加奈らしいと言うか?
加奈の奴は、俺に自身のお尻を突き出し、差し出してきた。
「あ、あのな、加奈?」
「ん? 何、和也?」
「俺今、お前達を守るので忙しいから。加奈のお尻を触りたいとか、思っていないんだけれど」
俺は自身の首を可愛く傾げる、加奈の奴に、にへらと笑いつつ。
俺は今そんな気分ではない。
お前達を痴漢の魔の手から守ることで、手一杯なのだと説明すれば。
「そうなんだ?」
加奈から言葉が返るから。
「うん」と頷けば。
「でも?」と加奈が寂しそうな声を漏らすから。
『加奈、どうした?』
俺が優しく、加奈に声をかけようとすれば。
「あのさ、山田?」
翔子が声をかけてきた。
だから俺は、「ん? どうした、翔子?」と言葉を返すと。
「山田のさぁ、大事なところなんだけれど。先程からうちのお尻の真ん中辺りに当たってきてはツンツンと刺激してくるのだけれど。うちどうしたら良い? うちの身体何だか熱っぽいんだけど。山田、うちどうしたら良いのかなぁ?」
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