第228話 元カノがこんなにも面倒な奴だとは思わなかった! (9)

 マジでこいつと二度目は絶対にあり得ないと思いながら。


「はぁ~、沙紀。お前また男に。自身の身体を触られたのか?」


 俺は呆れ顔、声音で沙紀へと訊ねると。


「えっ!」と沙紀がまた驚嘆を漏らすから。


「沙紀、お前、えっ! じゃ、ないだろう。えっ! じゃ」とアイツに告げ。


「沙紀、お前さ、安易に男についていって、真横に座り。仲良く話しをして盛り上がるのはいいけれど。本当にいつか痛い目に遭うぞ!」と。


 沙紀の奴へとやはり呆れ顔、声音で忠告すれば。


「沙紀、今日の牧田との自慢話は終わったから。俺にはもう用はないだろう。悪いのだが家に帰ってくれるか?」


 俺は自身の手で沙紀のことをあしらいながら今直ぐ。


 自身の家へと帰宅をしてくれと嘆願。


 だけど、この馬鹿は、阿保だから。


「いやよ。帰らない。それにもう翔子や幸に誘われても、絶対に牧田達と何処にもいかないもん」


 沙紀の奴は、自身のツレである翔子や幸に誘われても。


 二度と牧田達とは遊ばないのだと。


 自身の頬を膨らませつつ、不満を俺に告げると。


「和也、私ね、翔子か幸のどちらかが、牧田のことが好きだから。仲良くなりたいのだとばかり思っていたのよ。でも今日のカラオケ、部屋に入ると。直ぐに牧田の横に座らされるし。私、牧田と付き合うなんて一言も言っていないのに。妙に私の方へと迫ってくるし。私が逃げれば。最後は腰や肩に手を当て、強引に自分の方へと寄せようとするから。私怒って、途中で抜けて。そのまま和也の許へときたの」と。


 沙紀の奴は最初プンプン! と不満を漏らし。


 最後は俺に弱々しく告げてきた。


 それでも俺は、


「ああ、そうか、沙紀。よくわかりました。本当に今日は大変だったな」と。


 俺は沙紀へと告げると。


「はい! 沙紀! 話しは聞いたぞ! もう、これで俺との用事はないだろう。だから沙紀、帰ってくれ。お願いだ!」と。


 俺は沙紀へと告げる。


「いや~、帰らない~」


 沙紀は俺にそう告げると。


 そのまま、俺へとダイブし、抱きついてきたから。


 俺と沙紀の二人はベッドへと倒れ込んだ。


 だから俺と沙紀の二人は。


 お互いが見詰め合い沈黙……。


 淡く、官能的な世界へと二人は入っていくのだと言うこともなく。


 その後も俺と沙紀の二人は。


 俺のベッドの上で。


「沙紀! 今直ぐ帰れ!」


「いや! 和也が優しくしてくれるまで帰らない!」


「嫌だ!」


「じゃ、帰らない!」の言い合いと。


 そしてプロレスを。


 二人が汗でびっしょりと濡れるまで続けるから。


 俺の性欲もいつの間にか、何処かに。


 フワフワと飛んでいってしまった。



 ◇◇◇


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