第371話 柵の向こう側から! (6)

「お、おい! 山田どう言うことだ?」


「和也。お前の彼女って大田じゃないのか?」


「いや、俺は、山田の彼女は、山本だと聞いたぞ?」


「いや、いや。俺は井上だと聞いた……」


「あのフェンスの向こうの美女と和也、お前は、一体どう言う関係なのだ?」と。


「山田先輩! 由美ちゃんとは一体どう言う関係なのですか?」


「や、山田君……。ゆ、由美ちゃんは、山田君の何が好きで、何を愛している。何を〇えた事があると言っているのでしょうか?」と。


 加奈や蘭、翔子……。


 その他にも、一年坊の中でもダントツに可愛く、妹キャラで、純情らしい由美のイメージが。


 俺の何のためにイメージが変わり崩れた、崩壊したと。


 あいつら推し! ファンの男子達までもが、自身の身体をワナワナと震わせつつ。


 俺にギャギャと詰め寄り始めるから。


 牧田の奴は、自分への注目が下がり、ホッとして安堵……。


 自身の胸を撫で降ろす。


 でも今度は、俺の方が、そうも、いかず。


「俺、山田の件で少し小耳に挟んだのだけれど。こいつ! 山田の奴は! 新宮寺にフラれてから、切れたかのように。アニメやマンガ、ライトノベルの主人公みたいに美女食いの、ハーレム王になっているって噂だぞ」と。


 男子の中からまた声が上がれば。


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