第212話 高校三年生になれば、元カノのモテ期は未だ続くようです? (6)

「ん? どうした?」と。


 直人が、自身の首を傾げつつ、俺に訊ねてきた。


 だから俺は、「いや、別に何もないって」と、苦笑いを浮かべつつ。


 直人に言葉を返せば。


「いや、和也。お前、マジでニヤケ過ぎ。何かあるんだろう?」と。


 今度は直人ではなく山下の奴が俺に訊ねてきた。


 でも、俺は自身の首を振りつつ。


「いや、別に何でもないって」と。


 再度苦笑いを浮かべつつ、山下に告げるのだが。


 それでも山下の奴は。


「マジで和也、お前の笑いが気になるからマジで教えてくれよ。小さな声でいいから」と。


 俺に嘆願をするから。


「いや、まあ、あれだよ。牧田の奴マジで上手いなぁ。女馴れしているなと思いながら見ているだけだよ」と。


 ケラケラ笑いつつ、山下へと告げると。


「ああ、あいつマジで上手いな。俺もそう思うよ」と。


 山下ではなく直人の奴が苦笑いを浮かべながら俺へと告げてきた。


「ええ、そうなの?」


 蘭が直人の言葉を聴き、首を傾げるから。


「ああ、マジで牧田の奴は、女の扱い。落とすのが上手だと思うぞ?」と。


 俺は蘭へと告げれば。


「だって沙紀の奴は、最初あれだけ牧田に対して怪訝な表情で嫌がりをみせ、席を立とうとしていたのにさ。今はもう牧田達に対して沙紀の奴は、何の抵抗もなく。毎日の行事みたいに普通に会話をして楽しみ、笑っているだろう。だから牧田の奴が上手だと。俺は言っているんだよ」と。


 俺は蘭にケラケラ笑いながら告げると。


「ふぅ~ん、そうなんだ」と。


 蘭は感心した声を漏らしつつ。


 自身の幼馴染を見詰め始めだす。


 俺はそんな蘭に対して。


「うん、そうなんだよ」と頷きながら告げると。


「だから俺がそろそろ、かな? と呟いたんだよ」と。


 俺はにへらと笑いつつ蘭や直人、山下に加奈と。


 俺の周りにいるメンバー達へと告げると。


「そろそろって、何?」


 今度は山下ではなく、加奈が俺に訊ねてきた。


 だから俺が自身の口を開き。


 加奈へと説明をしようとすれば。


「新宮寺が牧田に対して、だいぶん抵抗の方が薄れてきたからデートの誘いかな、和也?」と。


 直人が俺の方をチラッと見つつ訊ねてきたから。



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