第210話 高校三年生になれば、元カノのモテ期は未だ続くようです? (4)

 沙紀の奴へと怪訝な表情……。


 そう、沙紀の件に関してはっきりとしない俺……。


 蘭と加奈の二人を両天秤にかけ。


 ラブコメの主人公みたいにはっきりとした態度をみせずに。


 蘭と加奈両方へといい顔をしながら、ハーレム気分な学園生活を送り、楽しんでいる。


 俺などスッキリ、ポッキリ忘れて翔子と幸の二人は沙紀に対して、新しい出会いと恋を探せと。


 まあ、こんな感じで告げてきたみたい。


 女たらし、スケコマシな俺が気に入らないと。


「もう、沙紀は山田のことなど気にしなくていいし。放っておいたらいいよ」


「だいたい山田は、沙紀と付き合っていた頃から。あんたに対して全然優しくない……。まあ、今もそうだけれど。山田は沙紀のことなんか全く相手にしないで。蘭や山本さんばかりじゃ、ん」とか。


 牧田の目の前で告げてくるらしい。


 でも、翔子と幸の、俺への悪態と言うか?


 毛嫌いなのかな?


 まあ、とにかく、女たらしの、ナンパ師になった俺への、二人の不満、誹謗は未だ止まらずに。


「牧田君はうちらにも言っているよ。一年生の時から沙紀しか見ていないって。だから他の彼女ができても沙紀のことをどうしても忘れられないから。直ぐに別れていたらしいよ」と。


 牧田の奴を庇う台詞を事ある毎に告げてくるらしい。


 だから中々反論できないのだと。


 沙紀の奴は蘭へと説明をしてきた。


 でも二人……。


 翔子と幸の牧田を庇う台詞は未だこんな感じで続くのだと。


 沙紀は蘭や俺へと告げ、説明をしてきた。


「だからさ、沙紀? 牧田君と急にお付き合いをうちらもしろとは言わないけれど。友達からならいいんじゃない? ねぇ、沙紀? あんな女たらしの山田なんか放置してさ?」と。


 まあ、他人が俺の様子……。


 蘭や加奈、由美辺りといる様子を見れば。


 そう思うよな、と思うこと。


 特に今は沙紀まで、俺の傍へと強引に寄り添ってくるから。


 鬼畜な山田の奴と。


 翔子と幸の二人に思われても致し方がないか? と。


 俺自身も思うけれど。


 沙紀の件だけは。


 俺はアイツに、好きにしろとは言ったけれど。


 沙紀の奴に対してまた春になれば寄りを戻すとか、一切言ってはいないから。


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