第369話 柵の向こう側から! (4)

「ああ、確かにな、俺もそう思う……。お前等と一緒だよ」、


「わっ、ははは」と笑い。


「牧田の奴、よくやるよな……。俺絶対に、他人の前、女に土下座なんかできねぇ。無理だ」と。


俺は自身の頬を引き攣らせつつ、俺に話しを振り、注目している同級生タメや後輩達に告げていると。


「「和也ぁ~!」」


「あんたぁ~!」


「和君~!」と。


徒競走を終えた女子達の中……。


それも?


今も土下座の最中の牧田に対して、二度と嘘偽り無い愛をあげない! とか。


もう二度と愛して、可愛がってあげないからと。


牧田に不満を漏らす女子達に交じり、何処かで聞き覚えと言うか?


俺がよく耳にする声が呻り、吠えと共に複数……。


そう、加奈に蘭と翔子、由美の奴が呻り、俺を名指しするから。


「おい、山田?」


「和也?」


「山田先輩?」


「山田君?」と。


「かみさん達が呼んでいるぞ!」


「それも、不機嫌極まりな声で呼んでいるように見えるのだが? 無視をしていて良いのか?」と、薄ら笑い。


そう、他人の不幸を面白可笑しく喜んでいるような気がするけれど。


俺は「そうか」、「ありがとう……」と。


自身の近くに居る者達へとお礼を告げ終わるのと同時に。


「まさか、あんたも、牧田と同じ事を思っているんじゃないでしょうね?」


蘭が荒々しい声音で俺に尋ねてきた。




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