第368話 柵の向こう側から! (3)
まあ、その他にも、牧田のことを中傷する言葉が多々呻り声! 吠え! と共に、俺の耳へと聞こえるから。
俺は牧田のことをバカな奴! と、目糞が鼻糞を笑い始めると。
牧田の奴は男子生徒みなが注目する中で、踵を返せば。
いきなり、その場で、座り込み。
女子達の方へと向け、土下座──!
「俺が悪かった! 言い過ぎた! 本当にごめんよ! 皆~!」と、謝罪……。
それも、何度も深々と、牧田は頭を下げては謝罪をおこなうのだ。
『母ちゃん! 許して! お願い!』と。
酔っ払いで帰宅をした父ちゃんのように、女子達へと。
「皆~! 俺が悪かったよ~! 言い過ぎたよ。ごめんね~。俺は皆の事を愛しているから~。嘘偽りなく~」と。
何処かのアイドルの謝罪みたいな言い訳を嘘偽り、かも知れないけれど。
あいつは、女子に対して満遍なく優しいことは、優しいのだ
アイドル達のようにね。
だから牧田は、アイドル並みの容姿で、そんな感じだから、女子達に大変に人気がある。
だから、あいつのお得意な、なりふりかまわぬ、土下座を女子達に披露すれば、大抵の女子達は、あいつのおこなった悪態を許すから。
本当に凄いよなと、俺は思いながら牧田を観察していると。
この場の男子達も。若干二名の輩は、牧田のことを『よくやるよ』、『あいつ。やっぱり馬鹿だ』と言った様子で見ているけれど。
その他の男子達──。
一般生徒達はね。
「本当、牧田って、すげぇよなぁ」
「うん、すごい」
「俺。あんな真似できねぇし」
「あっ、俺も無理」
「山田も、そう思うだろう?」と。
何故か俺に話しを振ってくるから。
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