第307話 おっ! これは? (4)

「沙紀~! お前家に、旧車があるのかぁ~?」


 俺が絶叫交じりで問えば。


「うん、あるよ」と。


 沙紀は頷く。


「そう言えば、沙紀の家の駐車場に。シートを被った車が置いてあるよね」


 沙紀に続くように、幼馴染の蘭も。


 沙紀の家に旧車があると呟くから。


「沙紀?」


「何、和也?」


「お前家にある旧車の車種は何だ?」


 俺が『はぁはぁ』と、興奮気味に沙紀へと問えば。


「……ん?」と。


 沙紀の奴は可愛く、自身のシャープな顎に、指を当てつつ、思案を始めだして。


 直ぐに考える人になる行為を辞め。


「わからない。あっ、はははっ。和也、ごめんね~」と。


 俺に笑い誤魔化しながら告げ、謝罪をするから。


 俺は「はぁ~」と、大きな溜息を漏らし。


「うぅん、別にいいよ。沙紀、気にするな」と。


 俺は自身の首を振りつつ、沙紀に気にするなと告げる。


「和君って本当に、子供の頃から車が好きだよね」


 俺が自身の肩を落とし、力なく俯いていると。


「そうなんだ。由美ちゃん?」


 牧田が由美に尋ねる。


「うん、そうなの、牧田先輩……。家のパパも車が好きでね。和君と昔から。あれが良い。これが良いと。二人は会話をしていたの」と。


 由美がニッコリと微笑みながら牧田に説明をすれば。


「へぇ、そうなんだ?」


「うん」と由美が頷くと。


「じゃ、和也~。沙紀の家に遊びに行けば良いじゃない?」


「うん、翔子の言う通り。和也、沙紀の家に遊びに行って、どんな車なのか見てみれば良いじゃない?」


 翔子に続き、幸が俺に、沙紀の家に遊びにいけばと告げてくるのだが。


 沙紀の両親は、娘の恋愛に対して大反対派だから。


 俺が沙紀の家にいくのは。


 流石に不味いと思うから。


「いやぁ~、俺が沙紀の家にいったら不味いだろう?」


 俺が呟けば。


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