第99話 (第3ルート完)第2章 序章(3)

「だってぇ~、和也が~。妙に大田さんと仲が良いから……」と。


 加奈の奴は、今度はタコさん、イカさんになって口が尖がらせながら可愛くブゥブゥと俺へと不満をもらしてくる、だけではなく。


「まさか和也、大田さんとは私よりも深い関係になっていると言う事はないよね?」


 加奈の奴は俺の耳に聞こえるか、聞こえないかの小声で。俺がギクッ! と動揺する事を問いかけてくる。


 それも加奈の俺への可愛い不満は、これだけで終わる訳でもなく。


「和也?」

「ん? 何だ、加奈?」

「和也と大田さんとの仲がもしも、私よりも深いものならば。私とはもっと深い仲になってよ、和也。分った?」と。


 加奈は朝も早くからこんな優艶な事……。俺達高校生が会話をしてもいいのか? と。男の俺でも思うような台詞を意味深に囁いてきたのだ。


 それも俺の耳元で今度は可愛くタコさん、イカさんでブゥブゥと不満を漏らしてくるのではなく。


 山本加奈あいつは俺の耳元へと自身の頬を当てるぐらい近づけながら「ふぅ~、はぁ~」と吐息交じりで囁き訊ねてくるから。


 俺はドキリと心の臓を跳ねらせ。その後は鼓動を早まらせてしまったから慌てて加奈の華奢な肩へと、俺は両手を当て──密着したあいつの身体を慌てて放しながら。


「あっ、はははっ。い、いや……。蘭も、お前と一緒で、それ以上はないから……」と、笑いながら慌てて告げ。


 その後は直ぐに加奈へと俺はにへらと笑いながら。


「それよりもどうするんだ? お前の弟にやるオオクワガタは……。俺ん家へお前が取りにくるのか? それとも俺がお前の家に持っていこうか? 加奈の弟も話しをしてみたいし」と。


 俺は加奈へと、とにかく笑い誤魔化しながら話しを変える事に専念をした。


(お願い)


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