第361話 いや、俺の勝利かな? (1)

 俺は?


「うわぁ~!」


「やられたぁ~!」


「こんなのありかぁ~!?」


「先生ー! 大田はずる、をしています!」


「体育の授業! 実技授業と言う物を馬鹿にしています!」


「あんな、やる気のない大田に評価点を与えてはいけません先生~!」


「あいつは、俺達男子の期待を裏切ったから赤点ですよ。先生~!」


「先生~、何とか言ってやってくださいよ。大田に……。ちゃんと走るよう」と。


 まあ、こんな声! 絶叫! と言う奴が、体操服やジャージ姿……。


 女子の徒競走が終わり、自分達の出番が早く来いとは思っていない。


 そう、学園女子生徒達の発育途上の胸が魅惑的に揺れる様子を。


 自身の顔を緩め、鼻の下を伸ばしつつ、腹部の下にある大事な物をそびえ立たせながら見て、堪能していた男子諸君から絶叫! 嘆き! 嘆願が漏れるから!


 俺は何事? と、思いつつ。


 ハイエナ共の目の先! 視点の先を見て、確認すれば!


 蘭が! 


 去年とは違い、今年からは、俺だけの物になった蘭がね、走るフリ! と言った方がよいのかな?


 できるだけ、あの蘭の爆乳を揺らさないようにしながら、早歩きぐらいのスピードで辛そうな顔をしつつ走るから。


 蘭は体調不良と先生が判断して、


「大田~、身体の体調が悪いのならば余り無理はするな~。そして授業が終われば鎮痛剤を飲むんだぞ~、大田~!」と。


 先生も女性だから。


 男子達とは違い、女性は色々あるのだと。


 去年は俺と仲間!


 でも今年は俺の敵に回った奴等が、体育の先生へと嘆願をしようが無視! 却下! 素知らぬ振り……。


 だから俺の蘭は、今年は男子達、童貞軍団の熱い眼差し! 


 奴等の熱視線! レザービームを浴び! 体操服が焼け、焦げ。


 奴等の脳内の妄想力の中で裸体になることも無く、無事に走り終えるから。


 俺は、自身の胸を撫でおろすのだが。





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