第360話 体育祭の練習があるみたい? (5)

 だから先生は直ぐに蘭へと、ではなく。


 俺に向けて、


「山田~、煩い! 少し黙っていろ! これはあくまでも体育の授業だ! 余り煩く言うと。大田の体育の評価を下げるぞ!」と。


 俺のことを脅してくるから。


「すいません、先生……」


 俺は、シュンとして、コテッ! となり、俯く。


 そして悔し涙、敗北者の涙をその場! 立ったままで!


「うぅ、ううう」と、嗚咽を漏らすのだ。


 俺の後ろで。


「やったぁあああっ!」


「やった!」


「やったぞぉおおおっ!」


「俺達の大勝利だぁあああっ!」


「この異世界魔王の如く所業であるハーレムを、この世に復活させようとする悪の根源の一人は撃破したぞ!」


「俺達の大勝利だぁ、あああっ!」


「山田ー!」


「和也ー!」


「山田先輩ー!」


「あいつを!」


「彼を見てみろぉおおおっ!?」


「奴は、敗者の涙を流しているぞぉおおおっ!」


「わっ、ははは」


「あっ、ははは」


「ざまぁみろ~、山田~!」


「お前は、俺等~、童貞軍団の敵だぁあああっ!」


「わっ、ははは」と。


 体育の先生の加入により、争いの敗北が濃厚となった俺に対して、男子達は嘲笑いに、勝利宣言までだしてきた。


 だから俺の蘭の爆乳は例年通りに、思春期の男子達の、熱い視線に晒され。


 妄想力と呼ばれる力によって。


 蘭は妄想と呼ばれる亜空間の中で裸体にされ、晒され。


 あいつらの今晩のおかずになりはててしまうのだろう。


 俺は、自身の顔を緩め、目尻、口の端を下げ、鼻の下を伸ばし、たゆん、たゆん、と揺れる、蘭のオ〇パイを眺め、堪能……。


 まあ、番のおかずには、しないけれど。


 沙紀と言う名の彼女が、不仲ながらも一応はいたから、仲の良い蘭のオ〇パイを俺はおかずにすることはなかった。


 た、多分ね?


 まあ、そんなくだらないことを、敗戦者の俺が思っていると。


「お、おい! マジかぁあああっ!?」


 勝利者の男子達の声!


 それも絶叫に近い声音だから。


 俺は、(何事?)と思いつつ。


 男子達の視線の先へと注目する。



 ◇◇◇


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