第380話 柵の向こう側から! (14)
「あぁ、あああ~! 沙紀ちゃん~!」と。
今度は年上のお姉さまの甲高い叫び声──。
それも?
走っているのか、歩いているのか、わからない阿保を呼ぶ声が聞こえてくるではないか!
だから俺も含めて、みなが注目する中で。
「あぁ~、志乃さん、来たんだぁ~?」
「うん」と。
大変に仲のよさそうなお姉さまとJK少女の会話が男子生徒達へと聞こえるから。
「ま、牧田~?」
「あ、あれはぁあああっ?」
「あの人は誰だぁあああ!?」
「何で女子大生のお姉さんが、家の校門の外から、新宮寺に手を振り、話しかけてくるのだ?」と。
また自身……。
各自各々が、自らの目を血走りさせ! ギラギラ、メラメラと光り、燃やしながらいるメンバー達の中から。
牧田へと荒々しく、興奮気味に。尋ねると。
牧田は「ん?」と言葉を漏らしつつ、自身の首を傾げ。
男子生徒達が指さす方へと、自身の身体の向きを変えつつ、牧田の奴は声の主を確認すれば。
「……あっ! お姉様!」と。
牧田はいつもの調子でノリ良く志乃だと声を漏らせば。
「お~い! お~い! 姉さん~! お迎え御苦労様~!」と。
志乃にノリ良く! 調子良く!
牧田は大袈裟な手を振り呼べば。
流石に志乃も牧田の声に気がつくから。
「あっ! 少年~! 元気~! 元気にしている~!?」と。
志乃も牧田にノリ良く手を振れば。
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