第379話 柵の向こう側から! (13)

「牧田の言っている事は本当だぞ! 諸君!」


「新宮寺は教室内でもケラケラ笑いながら、『だよね?』って、威張って、何時ものメンバー達だけではなく。クラスの色々な女子達とも、俺達が真っ赤になりそうな話を平然と話している」と。


 牧田や直人、山下、大島……。


 その他の、俺と親しいメンバー達、以外の者達から真剣な顔で、その他にも色々な奴等が。


 俺や沙紀達以外のメンバー達に対して遠慮しないで男子達へと告げ、説明をするから。


「ほら見てみろ!」と。


 牧田の口から呆れた声音の台詞が漏れると。


「ああ~!」


「沙紀ちゃん~!」


「沙紀ちゃんだぁ~!」と。


 鉄格子の向こう側……、じゃ、ないけれど。


 柵の向こうから麗しい乙女三人(過去系)の姿……。


 それも大変に質素で大人しく、それでも可愛く見える、聖女の制服を着衣した少女達の声……。


 そう、只今グランドを走る。


(いや、歩いている)


 沙紀に対して、可愛く手を振り、エールを贈る声と姿が俺の目に、じゃないく。


 彼女に飢え、欲しくて仕方がない童貞君達の瞳に、天使ちゃん達の姿が映ると。


 みんなは「良いなぁ~」の嘆きから始まり。


「マジ、羨ましいなぁ~」


「俺も彼女欲しいなぁ~」と。


 羨望な瞳で俺の沙紀や絵美……。


 山下、大島の彼女達のことを羨望の眼差しで見詰めつつ。


 また嘆きが始まると。


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