第138話 高校三年生になれば元カノ様もモテ期のようです(7)

「もう、煩いわね!新は! あんたには関係ないじゃない!」


 この隅田家のお姫様である由美が、自身の頬を可愛く膨らませながら弟の新へと不満を漏らせば。


「ちょっと二人共。人様の目の前で、姉弟喧嘩はよしなさい」と。


 いつも温和でゆるりとしていて。


 そう、大変に優しい。


 由美のおじさんが。


 これまた困ったものだ! と言わんばかりな顔をしながら。


 自身の可愛い娘と息子の仲を取り持ち始めると。


「二人共喧嘩は良くないよ」


「そうそう、仲良くしよう。ねぇ? 二人とも」と。


 家の正義感強い美智子が慌てて姉弟喧嘩の一触即発の仲裁に入れば。


 美和も続けて、幼馴染の二人へと声をかける。


 となれば?


 プゥー! と自身の頬を膨らませている由美の奴も。


 幼馴染の二人の二人に仲介をされると。


「う~ん、美和ちゃんと美智子ちゃんの二人が。由美に新と喧嘩をするなと言ってくるから。もうこれ以上は新との喧嘩は辞めておくね」と。


 自身の可愛く膨らませた頬を小さく、窄ませながら呟く。


 だから俺は「新……」と。


 由美の弟へと声をかけ。


 無言の言葉をかけるのだよ。


『お前も一言多かったのだから。姉ちゃんに謝り。仲良くするように』とね。


 そして家庭内に嫌な雰囲気をいつまでも残しては駄目だぞ。


 俺は目で新に合図……。


 遠回しに告げると。


 あいつ、新の奴は大変に賢い奴だから。


 あいつは俺との無言の会話を終えると直ぐに由美へと視線を変え──。


「姉ちゃん、ごめんよ……。俺、弟の分際で姉ちゃんへと一言も、二言も、生意気なことを言ってごめんなぁ」と。


 新は自身姉である由美へと深々と頭を下げながら謝罪する。


 だから由美も素直になり。


 自身の弟である新へと。


「新ちゃん、ごめんね。お姉ちゃんも悪かったよ。直ぐにムキになって……。本当にごめんなさい……」


 由美も自身の可愛い弟へと素直に頭を下げ謝罪をするものだから。


 この場の暗くなっていた雰囲気がまた『パァー!』と。


 暗い闇夜だけれど。


 俺達を照らす野外用のライトの明かりのように明るくなった。


 だからこの場にいる者達が。


 満身の笑みを浮かべ。


 またバーベキューコンロにお肉を置き、炙り始めだすから。



(お願い)


 レヴュー・星・感想・ハート等を軽い気持ちで頂けると励みになりますのでよろしくお願いしますm(_ _"m)




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る