第218話 高校三年生になれば、元カノのモテ期は未だ続くようです? (12)

 俺は今日もお昼の大休憩──。


 ランチのお時間に学園の食堂で。


 牧田の奴が後輩達と戯れながら昼飯を食っている姿を俺は見たぞ! と。


 あいつ、牧田の奴の前で怒声を吐きつつ、悪態をつき。


 あのニヤケ面を殴ってやりたい衝動に駆られるのだが。


 馬鹿を相手にしてもしょうがないからと。


 俺自身が思い。


 本当にあいつらうざぃな。


 沙紀を口説くのは好きにすればいいし。


 牧田の肩を持ち。


 沙紀に牧田の奴を推薦するのも。


 俺は別に構わないけれど。


 頼むから俺はアイツ、沙紀の奴の元々彼氏な訳だから。


 俺をダシに使うのは、頼むから勘弁をしてくれ。


 せめてダシにするならば。


 沙紀の元彼のイケメン大学生にしてくれお願いだ! と。


 俺が、自身の脳内で不満を募らせていると。


 バン! だ。


 バン! とだ。


 だから教室内がシーンと静まり返り。


 荒々しい音……。


 そう、自身の机を力強く叩いて。


 自身が座っている椅子を後方へと勢いよく下げる。


 荒々しい音をだした奴へと。


 みなが一斉に注目を始める。


 特に俺の席に座っていた牧田や。


 蘭と加奈の席へと座っていた翔子と幸の二人も呆然としながら。


 荒々しい音をだした張本人へと注目──。


 そして間が少し開けば。


「さ、沙紀どうしたの?」と。


 翔子の奴が、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしつつ訊ねれば。


「さ、沙紀、翔子の言う通りだよ。い、一体、どうしたの?」と。


 翔子に続くように幸の奴が。


 沙紀へとにへらと笑いながら訊ねると。


「和也は、私が前の彼女から強引に奪ったような状態で。前の彼女を平然と捨てた状態だから。地元でひんしゅくを買っているの。だから地元では、前の彼女に遠慮して。みんな和也には声もかけないし。相手にしないのだと。私は聞いているのだから。牧田君は勝手なことをいわないでよね」と。


 沙紀の奴は急に切れたように憤怒──怒声を吐くものだから。


 牧田の奴も沙紀の勢いに押されて。


「新宮寺、御免よ」と素直に謝罪をする。


 まあ、したのだけれど。


 俺は沙紀の奴が、牧田や翔子、幸へと吐いた罵声の話しは初耳だから。


 呆然、唖然としていると。





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