第48話 高校三年生になりフリーになれば大変です(1)

〈ガタガタ〉


〈ゴトゴト〉


 と鈍い音を立てながら俺は左手で自身のスニーカーを持ち握り。右手で下駄場を開けた。


 すると俺の目線の先には一枚の光り輝く神々しい物である小さな可愛いキャラクターの絵柄のついた小さな封筒……。


 そう、多分、みなさんの予想、考える通りでね。と言う物、呼ばれる物が、俺の三日間だけの引きこもり。登校拒否と言う奴を終えた。やめた後日から毎日のように俺の下駄箱の上履きの上にひっそりと置かれている日々が続いている記憶がある。


 まあ、俺も最初はね。その神々しく清らか、麗しい乙女心が沢山詰まった小さな可愛いラブレターを見て確認──自身の手にした。握った時は俺自身も動揺……。己の心の臓が破裂するぐらいドキドキしたよ。


 俺自身がラブレターをもらう何て本当に数年ぶりでね。中学生以来のことだから最初の日は俺自身もラブレターを掴み、握ると動揺──。挙動不審な様子でね。俺は自身の周りをキョロキョロと様子を窺いながら自身のポケットへと手紙を入れた記憶があるよ。


 でも、今は俺自身も慣れたからドキドキ感の方も薄れてしまったけれど。


 まあ、そんな俺が自身の下駄場の扉を開けて、乙女心が詰まったラブレターを目にすれば。俺自身が最初に思うことは?


(俺の下駄箱の中に手紙を置くのはいいけれど。俺の下駄箱を開けた瞬間に匂い。大変な悪臭がしないのかな?)と。


 俺は小首を傾げながら思い。


(俺の悪臭漂う下駄箱の中に手紙を置くぐらいなら。恋愛、ラブコメシネマ、ドラマ、アニメ、マンガ、ライトノベルに出演をしているヒロイン達みたいに俺に『あの~、山田君~?』と、照れ恥ずかしそうに俯きながら自身の頬をピンク色に染めながら手渡しをしてくれればいいのに……。俺は知らない娘からそんな、こんな様子、容姿で告白をされても別に不快感を募らせた顔、怪訝な表情……。その娘に悪態をつきながら受け取ると言ったことはしないのに……)と。


 自身の脳内でブツブツと嘆くように呟きながら俺は、乙女の純情が詰まったラブレターを、着衣をしている紺の詰襟制服のポケットへと入れる。


 まあ、いつもの如く振る舞いでね、入れると。


「あ、あの、山田先輩……」と。


 俺の背、背後から小さな声色で呼びかける台詞が聞こえてくるから。


「えっ!」と、俺は驚嘆を漏らしながら慌てて後ろを振り返ることも多々あるよ。


 まあ、これも。この行為も未だに俺へと起きている行為の一つでね。俺が慌てて後ろを振り返り向き。声の主を確認をすると。


 そこには自身の両腕、手を後ろに回した状態で俯き加減──。


 それも自身の顔を、頬を薄い桜色に染めながら上目遣いで俺のことを照れ恥ずかしそうに見詰め、モジモジ、ソワソワと、自身の身体を落ち着きない振る。舞う。様子でいるいる少女の姿……。


 そう、まさに俺が先ほどみなさんに説明をした通りの、恋愛、ラブコメ、アニメ、マンガ、ライトノベルなどのシチュエーションやワンシーンが俺の二つの目と瞳にリアルに映るのだよ。


 だから俺は、その娘、あの娘へと。


「俺に何か用事かな?」と。


 その娘に負けないくらい照れ恥ずかしそうに振る舞う。


 そう、自身の鼻を指先でポリポリとかきながら。俺の目と瞳に映る目の前の少女と目を合わせないように問いかけると。


「これ読んでください。お願いします」と。


 自身の両手で持ち握り。後ろに隠していた可愛らしいキャラクター物の封筒、手紙、ラブレターと言う物を俺へと自身の頭をさげながら突き出し、受け取って欲しいと差し出してくる。


 だから俺は彼女へと「あ、ありがとう」と言葉を漏らしながら彼女の誠意を断ることもしないでついついと受け取ってしまう失態を一度ではなく、何度も良い顔をしながらしてしまうから。


 沙紀と別れた。離別をした俺は本当に大変なことになっている。


 そう、なっている状態なのだよ。こんな感じでさ。


〈ラ〇ン~♪〉と。


 俺のスマートフォンが授業の間合いの休憩時間いきなり鳴る。鳴きだすのだよ。


 俺の元カノ沙紀の奴のスマホと変わらないぐらいに鳴る。鳴きだすものだから。


「和也~。彼女が出来たのか?」と、俺の親友の直人が訊ねてくれば。


「えっ! 嘘?」と、大田の奴が自身の目を、瞼を大きく開けながら声を大にした驚嘆を吐けば。


 俺の隣の席の山本が怪訝な表情をしながら。


「山田君また女の子達からメール?」と訊ねてくるから。


「うん」と、俺が山本へと頷けば。


「山田君がラブレターをくれた子達へと、誰構わずL○NEのIDを教えるから。女の子達から休憩時間毎にメールが送られてきて困るようになるのよ」と。


 アイツ、山本は不貞腐れ。自身の頬を可愛く膨らませながら俺へと不満を漏らしてくるから。


「ごめん」と、山本へと謝罪をして、「あっ、はははっ。そうなだな……」と笑って誤魔化す俺でね。そんな様子、振る舞いの俺のことを見て確認した直人が。


「なぁ~ん、だ。和也の彼女じゃないのか?」と、俺に訊ねてくるから。


「うん」と頷き言葉を返せば。


「もう、島田君は変な事を言わないでよね」と、山本が直人へと怪訝な表情で不満を漏らすと。


「何で山本が和也の女関係で怒るの?」


 直人は山本へと苦笑いを浮かべながら問いかけた記憶が、俺の脳内へと残っているのと。


 直人の問いかけを聞いた山本も更に自身の頬を膨らませ、不貞腐れながら。


「だって私は山田君とは友達よりも更に仲の良いだから。山田君へは言いたい事を言っていいんだからね」、『プンプン』と、山本は直人へとこんな言葉、台詞を不満として漏らした記憶が俺にはある。



(お願い)


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