第452話 それ、無理でしょう? (2)

「いつもは控え目の私だけれど。今は何だか勇気が湧いてきたと言うか? 恋愛小説のヒロインにでもなったような気持ちだから。私ついついと、その場の雰囲気に流されちゃった。えへっ!」と。


 幸の奴は、自身へと注目する皆へと、可愛く微笑みながら告げ。


「でも沙紀や加奈ち、翔子は、本通のど真ん中でも平気でキスをするから、私なんてまだまだだよ」と。


 何がまだまだなのか、俺自身にも良く分からなけれど。幸は自身の事を褒め称える皆へと説明をした。


「へぇ~。そうなんだ?」


「凄いね」


「うん」と、こんな感心した言葉、台詞と頷きが多々漏れれば。やはり幸と一緒で、俺の側にいる加奈に対して皆が感心しつつ注目する。


「山本さん、ボォ~としているように見えるけど凄いね」


「うん」


「山本さん、大胆」


「マジで凄い」


「カッコ良い」


「私も彼氏にしてみようか?」と。


 今度は幸から加奈へと視線を変え、こいつの事を絶賛する声だ多々上がる。


 V──!


 だから加奈は自身の指でVサイン! 自身に注目する皆へと『どうだ! 凄いでしょう!』とジェスチャーして魅せる。


 そんな加奈の事を注目者達は羨望の眼差しで祈るように見詰める。




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