第26話 新しい教室の席へとつけば? (2)
俺は沙紀のオッパイの方が、ショートカットがよくお似合いですね、の彼女よりも断然に大きいなぁ、と思うからだ。
でも俺は、この娘のお蔭で気落ち、落胆……。
沙紀の阿保のために憂鬱になっていた俺のガラスのように精細な気持ちの方は少しは晴れ晴れしたよ。
そう、爽快になった記憶があるから。
俺の隣の女子、クラスメイト!
そう、俺の嘆き、愚痴話の冒頭のシーンで出演したショートカットの少女……。
俺が沙紀の今カレの家庭教師、大学生の兄ちゃんをユーノスロードスターから引きづり降ろして、しばいてやろうか! と。
俺が荒々しく思って、行動にでようとした時に止めた少女の一人──。
山本加奈には感謝しないといけないな! と。
あの時の俺は思いつつ。
そのまま、ヨイショ、ヨイショ! と、自身の脳裏で呟きながら。
俺は自分の席へと移動し。
俺は腕で持っている学園指定のカバンを、今日から新しい相棒になる机のサイドにかけ始めると。
ズゥ、ズズズ……と。
何かしらを引きずる音が俺の耳へと聞こえた。
だから俺は(……ん? 何だ、この音は?)と、自身の首を傾げれば。
「山田君?」と。
俺の隣の席の少女──。
山本加奈が俺のことを呼ぶから。
「……ん? 何?」
俺はまた山本加奈に首を傾げたと思う?
するとあいつ、加奈の奴は。
今までは大きな声音、トーンではなく。
俺に小声で、ボソボソ! と、話しかけていた癖にさ。
急に自身の声のトーンを上げ!
「先程山田君と神宮司さんって険悪なムードだったけれど。もしかして二人は喧嘩……? いや、別れたのかな?」と。
おい! 山本加奈!
お前、ここは俺に対して、妖艶に『ふっ、ふふふ』と薄ら笑いを浮かべつつ、揶揄するところだろう? と。
俺も今、あの時のことを思い出しながらみなさんに説明……。
俺のビッチ! セフレ女への嘆きや愚痴を聞いてもらっているけれど。
俺のあの時、過去を思い出せば。
この時の山本加奈は、悪戯好きな、小悪魔さまを演じることができず。
あいつらしく、俺に無表情、無感情で尋ねてきたから。
未だ沙紀の阿保のために中傷中の俺だったけれど。
加奈の、この感情の無い表情と声音に対して俺は呆気にとられ、傷口を深くすることは無く。
只加奈に対して俺は動揺をしつつ。
「えっ!」と驚嘆を漏らしてしまった記憶だけあるのと。
流石に山本加奈が教室内で、あれほど大きな声をだし、俺に尋ねれば。
教室にいる者達が山本と、動揺している俺に注目を始めるから。
沙紀の奴や大田も俺に注目──。
だから俺と沙紀は目が合う。
だから俺は無言で沙紀に、
『この娘が、こんなことを俺に聞いてくるのだけれど。俺はどう答えたらよい、沙紀?』
と、無言で尋ね。
『この娘が、こんなことを俺に尋ねると言うことは。この娘は俺に気があるのだと思うけれど? 沙紀、お前は、この娘に、こんなことを尋ねさせてもよいのか?』と。
俺はまだあの時は、沙紀との別れ話をしていない状態だから。
俺はアイツ! 沙紀とは違うから。
俺は沙紀の顔色を窺った記憶があるよ。
するとさ、あいつは! 凄い顔! 真っ赤な顔で……。
俺を睨むだけ、睨んで、そっぽを向いたよ。
アイツの周りにいる友人達が。
「山本さんが山田にあんな事を尋ねているけれど良いの?」とか。
「良いの、沙紀? 山本さんに、あんな事を聞かせて?」と。
「沙紀、うち等、本当のどうなっても知らないからね」と。
俺のことを庇う台詞が多々……。
俺が沙紀達の会話に耳を澄ませると。
俺の耳へと大変に小さな声が聞こえたような気がするよ。
だから俺自身も覚悟を決めたと思う?
この時にさ……。
だから沙紀から山本加奈へと視線を変え、あの時の俺の状態……。
そう、多分沙紀とは、これでお終いかな? と。
わっ、ははは……と。
俺が山本加奈……。
そう、俺の嘆きや愚痴の冒頭シーンで、俺が沙紀の今カレの顔を殴ってやろうとしたら。
俺のことを諫めた少女の一人、加奈へと視線を変えようとしたら。
俺は大田と目が合う。
でッ、目が合い。
俺があいつへと注目すれば。
沙紀ではなくて、大田の奴が、今にも泣きだしそうな顔で、俺のことを見詰めているのがわかった。
だから俺は、加奈へと視線を変えると。
何故か加奈に俺は、この時に沙紀とはもうダメみたい? 俺達二人は、もう終わったみたいだ!
わっ、はははと、俺は高笑いを浮かべつつ、加奈に説明できずに。
「どうなんだろうね?」と。
俺は、沙紀との別れは確定なのに、疑問を告げた記憶があるよ。
◇◇◇
(何故?)、
(何故だろうか?)と。
俺は外の景色──グランドの様子……。
体育の授業で、グランドへと移動をしている奴等の様子を俺は無感情……。
何も考えず、走馬燈が回るのを見詰めているように呆然と、一人寂しく見詰め。
自身の背中から哀愁を漂わせていると、言うか? いたらしい?
直人や大田が後日、俺に教えてくれたから。
でもさ、そんな元彼の、寂しそうな、背を見ても。
アイツ! あのビッチ! セフレ女は、俺のことを可愛そうだと思わなかったみたいだ!
俺はちゃんと、あの阿保に止めをさされたからね、と。
俺が自身の不満を漏らしたところで話しを元に戻すけれど。
俺が外を見詰めていると。
「山田君?」
俺を呼ぶ声が隣の席から聞こえるから。
「……ん? 何?」
俺が山本加奈へと言葉を返しつつ。
あいつの方へと顔を変えると同時に。
「うわぁあああっ!」
そう、俺の口から絶叫──!
俺は本当に情けない声を吐いてしまう。
だって山元加奈の顔が俺の正面──!
本当にキスしても可笑しくない位置……。
俺が後一センチ、顔がずれていたら、必ずキスをしたであろう、位置に。
山本加奈の顔があるから驚愕! 俺は情けない声を吐いた。
だからクラスの奴等がまた、俺と山本加奈に注目する中で。
「山本、マジで顔が近いって……。もう少しでキスをしてしまうところだったぞ」と。
俺が、にへらと笑いつつ、山本加奈に告げると。
「残念、無念」と、山本加奈が悔しそうに、ではなく。
無表情、無感情で淡々と俺に告げてきたから。
「えっ!」と、俺は驚嘆を漏らすのだが。
山本加奈が全く動揺をみせないから。
俺もこれ以上は、何も言わずに。
(本当にこの娘変わっているな?)と。
俺が自身の脳裏で呟けば。
(お願い)
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