　それも広島ではお嬢さま学校で知られている女子高だから、流石の絵美も他校に不法侵入する上に、俺の頬やボディを殴る乱闘騒ぎは、流石に不味いのと。全校生徒のいる前で、俺と乱闘騒ぎを起こすのは、一応絵美も恥ずかしい。

　そう、恥じらいある年頃だから絵美の奴は、珍しく下を向き。モジモジと自身の華奢な指を使用しつつ手悪さを始め。この場にいるメンバー達へと自分は、本当はおしとやかな、お嬢さまなのだと。しおらしく振る舞って魅せるのだが。

「山本～と、絵美ちゃん～。頼むけぇ～。早ぅ～、着てぇ～。山田の事を止めてくれんさい～。お願いじゃけぇ～」と。

　あいつ、絵美の奴が珍しく、しおらしく魅せようが、世の中はそんなに甘くはないのだ。

　そう、今まで、仲間内がいる中で、俺の顔に何度も握り拳を入れているのを牧田はちゃんと見て、絵美のことを評価しているから。絵美の気持ちとは裏腹に、牧田は山中の悪態のために、荒ぶれた俺のことを制御する鎮静剤として、加奈だけではなく。絵美にも、他校の生徒だろうと問題はない。この場に着て、俺のことを止めてくれと、男子達の注目する中で嘆願をするものだから。