第386話 四天王の力! (1)

「先生?」


「何だ、牧田?」


「もしかして焼いている?」


「えっ! だ、誰が? 誰にだぁ、牧田……?」


 体育の先生……。


 自身の真横にチョン! と牧田が立ち並び、声をかけられたから、自身の首を傾げると。


 牧田の奴は、自身のイケメン顔を先生の顔の側まで近づければ。


 あいつは、ニヤニヤと意味深に、先生へと微笑みかけながら、この通りだ。


 牧田と楽しそうに会話をしていた志乃に対して嫉妬をしたのか? と尋ねる。


 だから体育の先生は驚愕しながら、自分が誰に対して嫉妬をしたのか? と。


 先生は、余りにも牧田の顔が近い。


 そう、あいつの息遣いで出る息が、自身の頬に当たるぐらい近く、牧田の顔があるから。


 先生は、自身の顔を引き攣らせ、落ち着きなく、苦笑いを浮かべつつ牧田へと尋ねるのだが。


 当の本人である牧田は、ナンパにかけては、四天王一ではないか? と。


 俺が思うぐらいの奴だから。


 先生が自分に対して不愛想……どころか?


 自分の余りにも積極性なところを見て、メスとして本能的に怯え、引いていようとも、牧田は気にしない。


 一度自分のカモだと思い。


 こいつはいける! やれる! と、あいつは思えば。


 いくら年上の淑女や年下の少女であろうとも、牧田はメスリスやメス鹿を安易に逃がす訳はないからね。


 俺は牧田の奴がナンパをしているところを何度もこの目で見て、焼きつけているからね。


 先生のメスとしての本能で、オスの牧田に怯える様子を見れば。


(体育の先生……。ありゃ、ダメだな)と。


 俺は思ってしまったよ。


 だって牧田! マッキーはね!



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