第385話 柵の向こう側から! (18)

 だから牧田は体育のティーチャー!


 多分年頃は三十歳まではいっていなかったと俺が思う。


 年齢よりも若く見える容姿端麗なティーチャーへと牧田は、自身のことを指さしながら。


『俺?』と、言った感じで、自身の親衛隊がワッ! と、騒めく中で首を傾げる。


「牧田ー! お前だ! お前! お前しかいないだろう!?」


 体育の先生は少し呆れた声音で、牧田へと不満を漏らすのだが。



 みなも知っての通りで志乃も、俺の異世界ハーレムではなく、現代ハーレムのメンバー、一員だからと。


 俺が自身の脳裏で威張って呟けば。


「先生~、姉さんは、俺の彼女じゃないから」と。


 牧田はいつもの、自身のお得意な、他人をコケにする、あのわざとらしい、作り笑いをケラケラ笑いながら。


 体育の先生へと悪態をつくものだから。


「牧田~、嘘をつくなよ。嘘を~」と。


「どうせ、女たらしのお前の年上の彼女だろう?」


 先生は、にへらと笑いつつ、牧田へと告げる。


 だからこの場にいる者達。


 男子も女子も含めてだけれど。


 牧田と体育の先生の対決……。


 どちらが勝利するのかをみなは、自身の喉をゴクリ! と鳴らしつつ、見守り、二人の様子を窺うと。


「先生~、俺心外だな~」と。


 牧田は相変わらず、ヘラヘラと笑いつつ、先生へと告げれば。


 あいつは急に歩き始める。


 それも?


 体育の先生の方へと向けて歩き始めだすから。


 この場にいる者達が、『何?』、『何々?』、『何が今から起こるのだ?』と言った感じで。


 大谷や中田も含めて、みなが緊張しつつ、牧田へと注目を始めるのだが。


 俺は牧田の様子を見ながら。


(はぁ~、こいつまた始めるつもりだな)と。


 俺は呆れながら思い、悪態をつく。



 ◇◇◇




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