第321話 彼女達は不満? (1)

「和也君?」


「……ん? 何だ、由美?」


「あの、お姉さん大丈夫なの?」


 由美の奴が、自身の顔色を変えながら、志乃のことは大丈夫なのか? と。


 俺に尋ねてくる。


「ん? ああ、大丈夫も何も。牧田が先ほど俺に言ってきた通りだよ。志乃自身が気に入らなくなれば。今度こそ、俺の前から消えていなくなると思うから大丈夫だと。俺は思うぞ?」と。


 俺は大変に不満がアリアリの由美へと言葉を返す。


「由美、あんた。あの人の事を知っているの?」


 俺の今カノだと志乃が言い切ってから、急に話しをしなくなった蘭が、やっと自身の口を開き、由美へと志乃のことを尋ね始めから。


「蘭、由美は、志乃のことを知らないと思うぞ?」と告げると。


「うちは別に和也に聞いていない!」


 俺が由美の代わりに蘭へと告げると。


 あいつは、俺の顔をジロリと、大変に不機嫌極まりない顔──。


 太々しい顔で、俺に話しかけるな! と、でも言いたい顔をしながら吠えるから。


 俺は蘭に『キャン!』、「ごめんなさい」と告げ、下を向く。


 そんな俺に対して蘭は「フン!」と鼻息荒くそっぽ向くから。


(どうしよう、蘭……。怒っているな?)と。


(どうしたらあいつ、機嫌直してくれるかな?)と思えば。


「私未だ小学生だったけれど。和君の家の前で、あの、お姉さんが友達と和君のことを待っているのを何度か見たことがあります、大田先輩……」


「そうなんだ?」


「はい」


「どんな感じの人だったの?」と。


 蘭が由美に尋ねる。


「どんな人って……。あの、お姉さんは不良、ヤンキーでした。だから和君に大丈夫ッて、私聞いたんですけれど……」


 今度は蘭だけでなく由美も……。


 じゃ、ないよね?


 その他のメンバー達も俺のことをジト目……。


 冷ややかな目で見るから。



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