第400話 四天王の力! (15)

 だから反省──。


 お猿さんになっている俺に、やっと気がついてくれたから。


「あぁ、あああっ! 篠田がぁあああっ! また和也のことを苛めている~!」と声を大にして叫んでくれたから。


『なぬ!』、


『あやつは、うちらの天敵! 新宮寺ではないか!』、


『でやえぇ~! でやえぇ~!』と言った感じでね。


 篠田率いる俺の親衛隊達は──。


 やっと俺から視線を変えてくれたので。


 俺がホッ! として胸を撫で降ろしていれば。


「山田!」


「山田先輩!」


「和也!」


「和也先輩」


「本当に良かったな」


「助かったな」


「篠田先輩達。他所を向いてくれてよかったですね」


「山田先輩、今のうちに逃げた方がいいんじゃないですか?」


 篠田達に俺が叱られているところを何度も見ている者達……。


 まあ、男子達は、あいつらが本当に恐ろしい奴等だと知っているから。


 俺のことを気遣い、労ってくれたよ。


 だから俺は歓喜だよ。


 この場から直ちに逃げろと言ってくれる心優しい輩もいるからさ。


 俺は自身の両目が熱くなり。


『うぅ、うううっ。お前等ありがとうなぁ』と。


 俺は男泣きをしつつ、みなにお礼を言いたくなる衝動に駆られると。


「山田~、お前が、自分のファンクラブのメンバーをちゃんと管理できない為だろうが」と。


 大谷が俺に悪態をついてきたから。


「自業自得だ」と、中田の奴も俺に悪態をついてきたから。




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