第399話 四天王の力! (14)

 まあ、ここまで俺は、篠田達に追い込まれているのに。


 それでも牧田は無視だよ。


 さり気なく、周りに悟られないように先生の身体の至る所に触れ、彼女をその気にさせるのに、あいつの神経! 手! 指先は!


『アチョ! チョ!』で、手一杯のようだから。


 俺の方には見向きもしないのだよ。


 先生の顔も、薄く桜色に染まりつつ、熟れた、自身の身体を火照らせ、魅惑的な息遣いと、掠れ声を周りに悟られないように漏らしているから。


 牧田の奴も、完全にその気になって、体育の先生をお持ち帰りしようとしているから女子達……。


 そう、俺の親衛隊から虐め、虐待を受け、反省をしている、お猿さんな、俺のことを助けてくれないから。


 俺は男子生徒達が注目する中で下を! 地面を見詰めながら!


「うん」、「うん」、「ごめん」、「俺が悪かったよ」と。


 篠田達に頷きつつ、小さな声音で謝罪をしていると。


「あぁ~、沙紀ちゃん~? 和也が下を向いて、誰かに詫びているみたいだけれど~。一体和也は、何をしているの~?」


 志乃の奴は、密かに沙紀の奴と仲がいいからね、俺が篠田率いる親衛隊に謝罪をしている様子を見て──。


『何をしているのか?』と尋ねる。


「……ん? 和也?」


 今まで、絵美や志乃と遠目から。


 そう、フェンスに向かって会話をして、俺に背を向けていた沙紀や蘭、加奈、翔子が一斉にこちら……。


 俺の方をやっと向いてくれた!


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