第388話 四天王の力! (3)

 そう、恋愛物語やラブコメなどにテンプレと言ってよいほどある。


 ヒロインと王子さま……。


 主人公とヒロインの『あっ!』だ。


『あっ!』だよ。


 二人の身体と身体が触れ合う瞬間──。


 触れ合った時に、必ずと言ってよいほどある、ヒロインとヒーローのときめき……。


 そう、目〇目で通じ合う、とか?


 キス〇目にして、だな!


 うんうんと俺が首肯をしながら感心、納得すれば。


「あっ!」


「先生大丈夫?」と。


 二人のお約束言葉が流れるから。


「ちょっと~!」


「先生~、何していんの~?」


「マッキ~、うちらのだし!」


「私達の物~!」


「勝手に抱きつて甘えないでよね~!」


「順番抜かしは禁止ー!」


「先生もマッキー、ファンクラブ。入会金無料に入ってからにしてよね~」


「もう、いい加減に離れろー! クソババー!」と。


 牧田親衛隊の奴等の本音が出たと同時ね。


「先生?」


「な、何、牧田?」


「姉さんはさ、俺の彼女じゃない……。あのひとは山田の彼女……。他人の物なんだよ。先生……。だから大丈夫……」


 牧田の奴は先生の耳元で囁いた。


 フッ! と微笑みながら。


 だから男子達のなから一斉に。


「「「「「おおっ!」」」」」


「「「「「すげぇ!」」」」」


「「「「「流石牧田だ」」」」」


 と、感心した声が上がれば。


 そろそろ、出るぞ! 出るぞ! 牧田の必殺技が!


 さり気なく、相手の女を自分の物にするテクニックの一つがと、俺が思えば。


「山田~、どう言うこと~?」


「うちら聞いていなんだけれど~?」


「山田に新しい彼女ができたことを~!」


「ちゃんとうち等にも分るように説明をしてくれるかな~?」と。


 何処かで聞き覚えのある声……。




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る