第277話 俺って陶晴賢公? (7)
でも二人は無視──。
だから牧田が二人の許へと駆け寄ろうと動き始めるから。
「おい! 加奈と幸! 別に人を呼びにいかんでもえぇけぇ。牧田も俺と話しがしたいだけだから言っているだけだから。もう騒がらんでもえぇから。こっちへ戻ってこい」と。
俺が二人へと告げると。
「ちょっと和也……」
自身のスマートフォンをとりだし。
何処かに電話をかけようとしている沙紀の姿が俺の瞳に映るから。
「沙紀! お前も、ちょ、ちょっと待てってぇ! 警察に電話したら大変なことになるけぇ、ちょっと電話をするのは待てぇ! なぁ!」と。
俺は沙紀へと苦笑いを浮かべつつ告げ。
「牧田達は俺と只話しがしたいみたいじゃけぇ、警察に電話をするのは待てぇ」と嘆願をする。
「えぇ、でも」
沙紀は牧田のツレ達を怪訝な表情で睨むように見詰める。
それでも俺は「沙紀、大丈夫じゃけぇ」と告げる。
「和也、大丈夫じゃないよ」
「人を呼んできた方がえぇけぇ。蘭や沙紀もそう思うじゃろぅ?」
俺が沙紀に大丈夫だと告げても。
自身の気を高ぶらせ、荒々しくなっている蘭と翔子の二人が。
俺に対して暴力と言う名の荒々しい行為をしたくて仕方がない牧田と、そのツレ達を絶対に許さないと告げ。
俺を困らせるから。
「牧田~。お前からも蘭や翔子に言ってくれやぁ~。ただ俺と話しがしたいだじぇじゃけぇと。それとお前のツレが俺の肩に腕とか回すのを辞めさせてくれんかのぅ? この様子を見るけぇ。沙紀や蘭や翔子が、俺の話しに耳を傾けんけぇ。頼むわぁ、牧田、お願いじゃけぇ。お前等だって進学があるけぇ。ここで警察沙汰になったら不味いじゃろうがぁ~?」
俺が牧田へと苦笑いを浮かべつつ嘆願をすれば。
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