第161話 高校三年生になれば、こんな偶然も起こるらしい? (14)

 そして寝室の前に着くと。


 ドアのノブを握り。


『沙紀~、ただいま~』と言葉を漏らしながら、部屋の扉を開け──部屋の中を覗けば。


 俺は唖然。


 呆然。


 自身の開いた口が塞がらなくなる状態へと陥ってしまい。


 その後は涙……。


 涙の滴がポタポタと。


 俺達夫婦の愛の巣部屋のフローリングの床を濡らしながら。


「沙紀、貴様ぁあああっ! 何をしているの、だぁあああっ!」と。


 俺は怒声を放ち。


「沙紀ー! その男は誰だぁあああっ!?」、


「誰と貴様はぁあああっ! 俺達夫婦のベッドで優艶に交わっているの、だぁあああっ!? 貴様はぁあああっ! 気が触れているのかぁあああっ!」と。


 俺が沙紀へと罵声を吠え!


 咆哮する!


 だって俺の妻が、自身の泣く子を放置しながら。


 間男に跨り、馬乗り状態……。


 自身の身体を優艶に動かしている。


 そんなおぞましい姿、様子を、自身の目では見て。


 俺は泣き叫び。


 自身が沙紀と結婚をしたことに対して後悔はしたくはないから。


 今回の席替えで、奇跡的に俺の横を手に入れ。


 歓喜していた沙紀とは。


 俺は寄りを戻し、付き合う気ない。


 だって、と言うか?


 俺が今まで何度も愚痴を漏らしたと思うけれど?


 一度裏切る女は時が経てば。


 二度も、三度も平然と裏切ることができる病気持ちの女性であり。


 沙紀自身も、そんな病気持ちの女だと俺自身も今回の件……。


 俺をフッて家庭教師の大学性とつき合い。


 相手が年上の成人男性だからと。


 自分の大事な物平然と捧げた癖に。


 今度はその男が気に入らないからと。


 自身の大事な物であるはずの物を。


 捧げるほど好きだった、男だった癖に。


 その男と別れたからと、元々彼の俺に許しを乞い。


 復縁、元鞘に収まりたいと。


 何度も泣いては誤魔化しながら復縁を迫る。


 他人の使い古しのビッチ、セフレ女等と。


 俺は寄りを戻す気などサラサラない。


「新宮寺、お前なー? 蘭と加奈に可笑しな事を言って泣いて誤魔化すなよな……」と。


 俺が沙紀の奴に呻れば蘭や加奈。


 そして沙紀の奴も涙を流し、『えんえん』と阿保のように泣く行為は辞め。


 蘭や加奈に続くように、俺へと注目してきた。


 だから俺は、自身の眉毛と目の端を吊り上げ──。



(お願い)


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