第71話 (第3ルート完)高校三年生になればこんなお別れもあるとは思う? (5)

 まあ、侵入してきたと思えばさ、由美の奴は。


「和君~、愛している~」とガキの頃から変わらない台詞を兄貴のような俺へと告げながらダイブ!


 そのまま抱きついてきた。


 そして頬ずり、甘えてきた。


 だから俺は由美に対していつもの如く調子でね。


「由美、お前、勉強じゃないのならば家に帰れ!」と告げると。


「ごめん、ごめん、ごめんなさい。和君……。ちゃんと勉強するからおこらないでよ。(チュ)」と由美はしてきたから。


 俺は「由美、お前なぁ」と呻るよぅに呟くと。


 由美はにへらと笑い誤魔化しながら。


「和君今から教科書を出すね」と。


 自身が持ってきた布製バックの中から教科書を取り出し、付箋で印をしているページを俺の真横でべったりと張り付きながら開いてきたのだ。


「和君、由美はここがわからないから教えて」と。


 由美の奴は真横に座る俺に対して満身の笑みを浮かべながら、反省の全くないない顔色で問いかけてきた。


 だから俺は由美に『お前、俺に張り付き過ぎだぞ。少し離れろ……でないと家に帰らすぞ!』と荒々しく告げるのも馬鹿らしくなり。


「由美、あのなぁ、これはなぁ」と。


 俺は由美との約束通り。正午迄はあいつの側でちゃんと不満も漏らさずに幼馴染の可愛い後輩ちゃんに優しく、手取り脚取りと勉強を教えたのだ。


 でっ、俺は終われば由美と別れて今度こそ広島市内、八丁堀商店街へと向かうのだった。



 ◇◇◇



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