第122話 高校三年生になれば、こんな噂も立つよね? (20)

 だから俺はそいつ等に。


「あいつと付き合うのはいいけれど。直ぐに浮気されるぞ。俺みたいに」と。


 俺はケラケラと笑い。そいつ等に強がりを見せながら呟いた記憶がある。


 すると、そいつ等は直ぐに元彼の俺へといつもこう告げてきやがったよ。


「ああ、別に俺はあの女に浮気をされても構わないよ。俺もやるだけやって飽きたら直ぐにポイと捨てるつもりだから」と。


 ケラケラとそいつ等もいつも俺に笑いながら告げてきたよ。只可愛いあいつと一度大人の恋愛をしてみたいだけだから。あいつに浮気をされようが構わないのだと、元彼の俺にケラケラとあいつの事を嘲笑い。中傷しながら告げてきた。


「……ん? ああ、別にお前の好きなようにすればいいんじゃないのか? 俺は別にあいつの彼氏でもないし。もう二度とあいつと寄りを戻す気もないから。お前等の好きなようにすればいいじゃないのか?」と。


 俺も先輩やツレ達に悪態をつかれる度に、怪訝な表情をする訳でもなく。ケラケラと笑い返し告げた記憶があるのと。


 まあ、偶にはさ、俺の御機嫌斜めの日には、そいつ等の事を思いっ切り睨み、ガンをつけてやった記憶もある。


 でっ、その頃の俺は、竹内君との無謀とも言える喧嘩、タイマンの後だったから。何処かのマンガの世界観みたいに、【二中の狂犬】と皆から言われ、恐れられるような立場にはなっていたから。同じ中学や他校の奴等からも一目置かれる存在へと、自身の立場が変わっていたからね。


 俺が自身の目を細め睨み──ガンをつければ、先輩やタメの奴等は、それ以上あいつの事を嘲笑いしながら侮るような暴言は吐かなかったよ。俺の目の前だけではね……。


 でもさ、陰ではやはり俺の年上の元カノの事をビッチ女、セフレ女だと皆嘲笑っているようだった。


 だから俺は悲しいし。悔しい思いをした記憶がある。


 でっ、それから更に俺とあいつに月日が流れると。あいつが〇イ〇や梅〇に感染したとか、〇〇ナーでとうとう頭が可笑しくなって強制入院をしたと言った中傷噂話しが多々流れ始め。俺の耳へと入ってくるようになり。


 俺はその話を聞く度に。


「へぇ、そうなんだ」と、先輩やタメの男女のツレ達へと他人事のように呟いた記憶があるのと。


 あいつの中の良かったツレ……。



(お願い)


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