第120話 高校三年生になれば、こんな噂も立つよね? (18)

 そう、俺を救急車で病院へ迄連れていってくれたあの馬鹿も、自身の学校の生活指導や担任の先生……。


 そして俺の学校の先生達や少年課の刑事さん達に竹内君の事を問われても。あいつも首を振り続けたらしい。


 家の学校の先生達や刑事さんが困った顔で、俺に君の彼女が教えてくれないから困ると苦笑いを浮かべながら教えてくれた記憶がある。


 だから俺は『そうですか』とだけ告げたと思うのと。俺自身はとにかく余計な事を先生達や警察の人へとは言わないようにしたよ。


 それとあいつ、あの時の俺の年上の彼女は〇ン〇ー中毒だから。警察に薬〇中〇で逮捕される訳にはいかないからねと、ここまで説明、話しをすれば。


『あれ山田は、元カノと入院期間中に会わなかったのか?』と疑問に思うかもしれなから説明をする。


 う~ん、実は俺、あいつとはもう二度と会う事はなかったよ。


 あいつ俺が入院をしている病院へと毎日面会に通い続けたみたいだけれど。俺が絶対に病室へと入れないで欲しいと看護師さんや自身の母親、妹達へと告げていた。


 だからあいつがいくら病室の前で俺に対して、


「和也、ごめんね。お願いだから。もうしないし。裏切らないから。私を部屋の中に入れてよ」


 と泣き、喚き嘆願をしてこようが絶対に病室には入れなかった。


 それに退院後も俺の中学校や家にも何度もあいつは訊ねてきた。


 俺と『逢いたい』、『逢わせて欲しい』


 そして『お話しをさせて欲しいの。今後のこともあるからお願い。お願いします』と何度も泣き、喚きながら。


 俺の両親や妹達……。学校のツレや先輩……。あいつの仲の良い女子の先輩達へと頭を下げにきては、俺に取り次いで欲しいと嘆願をしてきた。


「おい、和也?」


「和也、あの娘、どうするの?」


「もう、お兄ちゃんは……」


「兄貴、面倒だから自分で出てよね……」と。


 俺は家族に不満を言われ。


「おい、和也?」

「あいつ?」

「あの娘?」


「……一体どうするんだ?」


「どうするの?」


「本当に放っておいても良いのか?」


「……和也、あの娘、放置していたら本当に頭が可笑しくなってもしらないよ?」


「それでも良いのか?」


「それでもいいんだね?」と、中学校でツレ、先輩、先輩の女子達に問われても俺は、「うぅん。いい……。あいつの事は放置していたらいいよ……。俺自身もあいつには疲れたから……」と、己の首を縦に振らずに、横に振り続けた。



(お願い)


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