第298話 今日もみんなで仲良く (1)

「あのさ、山田~?」


「……ん?」、


 そして『何だ、牧田?』と言葉を返そうとしたら。


「牧田、あのさ?」


「ん? どうした、大田?」


「今日もうちらと一緒に学校を帰る訳?」


「うん、そうだけれど。どうかしたのか、大田?」


「いや、牧田。どうかしたじゃ、ないでしょう? あんたさ~?」と。


 蘭が牧田へと呻りながら、更に不満を告げようとしたら。


「別に俺だって山田と一緒に帰ってもいいだろうがぁ、大田~。この間一緒にカラオケに言った仲じゃないか。そんなに毛嫌いするなよ」と。


 牧田の奴は蘭が完全に不満を漏らす前に。


 自分は過去を改め、改善した者だから嫌うなと嘆願をする。


「別に牧田と一緒にカラオケに行った訳じゃないし。ねぇ、蘭?」


「うん、翔子の言う通りで、うちらは和也が友達にカラオケに誘われたから一緒に行っただけだから。ねぇ、幸?」


「うん、蘭や翔子の言う通り」


 幸が蘭に問われて頷くと。


「だからお前等~。あの時のカラオケは、俺が段取りをしたんだろうに。俺だって大きな部屋があるカラオケボックス探すのに苦労をしたんだぞ」


 蘭や翔子、幸の三人が、牧田が自分達のグループにいるのが気に入らないと不満を告げるから。


 今度は牧田が逆切れして三人へと不満を漏らし始め。


「山田からも大田や翔子や幸に何とか言ってくれよ。こいつら俺にばかり酷いんだぜ」と告げ、嘆願をしてくるから。


「まあ、いいんじゃないのか? みんなで仲良く帰ろう」と。


 俺が告げれば、取り敢えず騒ぎは収まると言った様子が。


 宮島、遠足事件の数日後からこの調子でね。


 先ほど牧田が蘭達に言った通りで。


 俺の地元のツレ達が牧田のツレへと。


『和也に一緒にカラオケ行かないか? と、誘ってくれないか?』と、嘆願をしたらしくて。




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