第391話 四天王の力! (6)

「ねぇ~、ほら、先生~。俺の言う通りで。姉さんは俺の彼女ではなく、山田の彼女だろう?」と。


 牧田は先生に告げ、尋ねつつ、平素を装いながら、さり気なく。


 先生の肩に腕を回しながら。


 牧田は更に先生の身体と密着しつつ、ヒソヒソ……。


「先生、今週の週末は暇かな?」と。


 俺が篠田から遠目越しに、取り調べ? 説教?


 まあ、どちらでもいいけれど。


 篠田と田中、矢島、栗田、伊藤……。


 その他の者達から冷たい目で睨まれつつ。


「はぁ~、何が特定の彼女を作っていないだって、山田~?」と不満を言われ。


「新宮寺の件だって、どう言う事?」と。


 篠田に不満のある声で問われると。


「山田~、新宮寺とは、二度と付き合わないし。絶対にないって言っていなかったけぇ?」


「そうそう、言っていた」


「言っていたよね、山田?」


「あれ、全部嘘?」


「もしかしてうち等を騙したん?」と。


 篠田が最後に腕を組みつつ、俺を睨み、騙したのか? とか言い始めるから。


「いいや、俺……。お前等を騙したつもりはないから。つい、少し前に、一緒にカラオケいったじゃ、ん」、


「……だからさ、お前等に、どう言ったらいいだろう?」


 俺がさ、こんなにも困り、下を向いているのにさ。


 牧田の奴は、体育の先生へと。


「ねぇ、先生……。週末は暇? 暇なん?」と。


 先生の耳がくすぐったくなるぐらい、自身の口を近づけ、囁いているのだ。


 俺は牧田の方をチラチラ見ては、


(牧田先生助けてください。篠田達が俺のことを呻り、苛めるんだよ~! だから何とかしてくれぇ~!)と。


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