第415話 高校生らしい挑戦? (2)

 ピィー! と笛の音と共に、幸が走り始めるから。


「おっ! 幸の奴が走り始めたな」


「うん」


「あいつ、やっぱり足が速いな」と。


 俺が頷く篠田と、親衛隊のメンバー達へと告げる。


「まあ、幸は元陸上部だしね」


 篠田が呟けば。


「何で部活辞めたのだろう?」


「さぁ?」


「……ん? 塾通いの為じゃなかったか?」


「そうなんだ?」


「うん……。うちは確か、そうだと聞いたよ」


 俺が幸の走る様子……。


 そう、体育祭の選手リレーの代表を決める選考のための徒競走の様子を窺っていると。


 俺の親衛隊のメンバー達が、こんな会話を始め出したから。俺も聞く耳を立てていると。


「山田?」


 篠田の母ちゃんがまた俺のことを呼ぶから。


「……ん? 何だ?」


 俺が幸から篠田へと視線を、変え首を傾げれば。


「幸は未だ塾通っているの?」


 篠田が俺へと尋ねてくるから。


「いいや、もう通っていないよ」と。


 俺は篠田に、自身の首を振りつつ、幸の奴は、もう塾へいくのを辞めたと説明をした。


「そうなんだ」


「うん」


「じゃ、幸の奴は、もう通う大学を決めたと言う事なの?」と。


 篠田が俺に尋ねてくるから「うん」と頷き。



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